日本最大の地熱発電所 九州電力八丁原発電所

vol.08

火山の多いわが国では地熱発電に期待が寄せられています。地熱発電は、地中深くまで井戸を掘り、地下の岩盤に閉じ込められた高温・高圧の熱水溜りから蒸気と熱水を取り出し、蒸気を発電に利用する純国産の再生可能エネルギーです。

ただ、地下の熱源の状態を考慮しないで蒸気を利用してしまうと、地熱も枯渇してしまう可能性があります。地熱を半永久的に利用するためには、熱源に見合うだけの蒸気と熱水を取り出し、蒸気とともに噴き出してきた熱水は地下に戻して、岩盤の中に貯まっている熱水の温度と圧力を維持しなくてはなりません。

発電に利用した蒸気を冷却するための循環水を外気で冷やす冷却塔。冬場には大きなつららもできる 日本最大の地熱発電所である九州電力の八丁原発電所(大分県玖珠郡、認可出力5万5000キロワット×2基)では、長年蓄積してきたデータに基づいて地下の状態を常にモニタリングしながら、蒸気と熱水を取り出しています。また熱水を地下に戻すための井戸は、使用とともに熱水から不純物が析出(液体から結晶や固体成分が分離すること)して溜まり、充分に熱水を戻せなくなるため、毎年1 ~ 2 本の新しい井戸を掘削しています。こうした取り組みによって、永続的に地熱を利用できるようにしています。〈表紙:新たな井戸の掘削現場〉