島の生活 電気の安定供給で支えるライフラインを守る

vol.18

傳田 実智雄さん

沖縄電力 離島カンパニー
八重山支店配電課 課長

金城 吉和さん

沖縄本島から南西に約400km。東京からは約2,000km離れた場所に位置する八重山諸島。石垣島や西表島をはじめ、日本最西端の与那国島や、最も南の有人島である波照間島など、広大な海域に島々が点在している。これらの島嶼部を営業エリアとして、電気を届けているのが沖縄電力八重山支店である。

金城は、八重山支店で送・配電設備の維持管理を担当しており、島の発電所からお客さまの軒先の引込線に至るまでの電線を一貫して受け持っている。また、台風の襲来時には、離島部への移動に制約を受けることを想定し、「あらかじめ作業要員を周辺離島に送り込むため、応援派遣の要請や手配をしたりもする」。限られた要員の中で、安定供給を維持するために、地元の協力会社とも一体となった業務運営を心がけている。

沖縄は年に幾度も台風が接近する、いわば「台風銀座」でもある。中でも、2006年9月に八重山諸島を直撃した台風13号の被害は甚大だった。この台風で、石垣島では約200本の電柱がなぎ倒された。これまでも、電柱の連続倒壊防止のため特に強度の高い電柱を配置していたが、その範囲を拡大したり、さらに、電線の地中化を進めたりするなど、さらなる安定供給に向けた取り組みを続けている。

「若い頃は、台風による設備被害があれば、1週間会社に泊まりこんで、復旧作業にあたったことも珍しくなかった」と振り返る。その一方で、「停電が起きると照明はともかくクーラーや冷蔵庫が使えなくなり、島民の生活や観光客にも大きな影響が及ぶ」と、安定供給の大切さとともに長期停電の悔しさも胸に刻んだ。金城は、配電設計業務が長く、災害への備えや設備の強化を通して、停電の回避とともに停電時間の短縮に努めてきた。安定供給への取り組みは、まさに金城が電力マンとして歩んできた「道」と重なる。

「電気の安定供給は、島の暮らしやライフラインを守り抜くことでもある」と語る金城の表情には、普段の穏やかな笑みの中にも、力強い決意がみなぎっていた。

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