フランス議会は2024年4月9日、放射線防護・原子力安全研究所（IRSN）を原子力安全機関（ASN）に統合し、新たな規制機関として原子力安全・放射線防護機関（ASNR）を設立する政府の法案を可決した。
同法案の発効に必要なマクロン大統領の署名を経て2025年1月1日にASNRが発足する。
2024年3月19日の国民議会（下院）における第1回読会（賛成260、反対259）で法案に反対していたル・ペン氏率いる国民連合（RN）が今回賛成に回ったため、下院は340対173の賛成多数で可決し、それを受けて元老院（上院）も233対109の賛成多数で可決した。
政府は、統合によって規制システムの重複作業が解消され、専門家による評価および新設許認可にかかる期間が短縮されるとしている。
一方で一部議員や専門家、IRSNの職員から成る反対派は、専門家の独立性や国民に対する透明性が損なわれるなどと批判している。

【情報提供：一般社団法人海外電力調査会】