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家庭用 自然冷媒ヒートポンプ給湯機”エコキュート”の累計出荷台数300万台突破について【プレスリリース】

2011年9月26日
電気事業連合会
社団法人日本冷凍空調工業会
財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター

 電気事業連合会および社団法人日本冷凍空調工業会、財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターは、家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート※」の普及拡大に取り組んでおりますが、本年8月末現在で累計出荷台数が300万台を突破(約302万3千台)しましたのでお知らせいたします。

 

 「エコキュート」は、空気中の熱エネルギーを集めて活用する省エネルギー技術「ヒートポンプ」を導入し、家庭で消費するエネルギーの約1/3を占める「給湯」分野において、大幅なエネルギー消費の抑制を可能にしました。2001年に世界で初めて商品化されて以来、床暖房なども行うことができる多機能機種や省スペース型機種など、お客さまのニーズを踏まえた様々な特長を持つ機器を製品化いたしました。その結果、2009年10月には累計出荷台数が200万台を突破し、その後約2年間で100万台を出荷するなど普及が進んでおります。

 

 今後も、高い省エネ性を有し、地球温暖化対策への貢献が期待できる「エコキュート」の普及を通じて、電気の需要面における「エネルギー消費の効率化」を推進してまいります。

 

 * 「エコキュート」の名称は、電力会社・給湯機メーカーが自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機の愛称として使用しているものです。

 

1.エコキュートの累計出荷台数の推移

 

2.エコキュートの仕組み

 「エコキュート」はヒートポンプの原理を利用した給湯システム。空気の熱を熱交換器でCO2冷媒に集め、その冷媒を圧縮機でさらに高温にして、お湯を沸かす仕組み。空気の熱を上手に活用するため、投入した電気エネルギーの3倍程度の熱エネルギーを得ることができ、これにより高い省エネルギー性と従来型給湯器に比べCO2排出量の削減も実現できる。

 

(ヒートポンプユニット)

(貯湯ユニット)

 

(参考)

 

○エコキュートの一次エネルギー消費量削減効果

 「エコキュート」300万台普及による原油換算ベースでの削減効果を試算すると約63万kL/年となる。

 

 ※原油63万kLはドラム缶(200L)約315万本分に相当。

 

 <試算条件>

・給湯器の地域別・種類別の普及状況を踏まえ、既設の給湯器をエコキュートに取り替えた場合の削減効果を試算。

・給湯負荷および各給湯器のエネルギー消費量は、IBEC「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費量計算の解説書」に基づき地域区分別に算出。

 

○ヒートポンプを巡る最近の動向

・ ヒートポンプが有効活用する空気中(大気中)の熱は、太陽光や風力と同じ再生可能エネルギーであることから、法令などで明示して政策的に推進する動きが世界的に広まっている。欧州では、2009年6月に施行されたEU指令(再生可能エネルギー推進に関する指令)の中で、一定効率以上のヒートポンプによる空気熱利用を再生可能エネルギーとして扱うことが示された。

・ 我が国においても、2009年8月に施行された「エネルギー供給構造高度化法施行令」において、初めて法令により再生可能エネルギー源が定義され、この中でヒートポンプが利用する空気熱も再生可能エネルギー源として位置づけられている。

・ 国際エネルギー機関(IEA)では、2011年5月に冷暖房・給湯技術に関する技術ロードマップを公表した。この中で、2050年に期待できる冷暖房・給湯分野のCO2削減量のうち、約63%がヒートポンプ技術によるものと想定しており、世界中の建物エネルギー消費の約半分を占める冷暖房・給湯分野において、ヒートポンプ技術のCO2削減効果に大きく期待している。

以上

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