カーボンニュートラルの実現には、電力の供給側の脱炭素化だけではなく、需要側の取り組みとして、産業、運輸、業務、家庭などあらゆる部門の最大限の電化を図る必要があります。 また、技術的に電化が困難な分野への水素等の脱炭素エネルギーの供給や利用促進も必要です。 水素はカーボンニュートラル実現に向けた有望なエネルギーの一つですが、技術面・コスト面・安全性に対する一般の受容性など、多くの課題が残っています。
需要側の理解促進、メーカー等による技術開発、国等による政策的支援等、これらが一丸となって取り組むことが必要であるため、更なる創意工夫によりサービス等を拡充し、最大限の電化の推進に取り組んでいきます。

出典:第1回 GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ説明資料「電気事業における2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みと課題について」

ヒートポンプ

電化の推進で注目されているのがヒートポンプです。ヒートポンプは、再生可能エネルギーである大気熱などを効率的に汲み上げ、身の回りにあるエアコンや冷蔵庫、エコキュートなどに利用する技術です。空気中や地中、河川水などにある熱は、繰り返し使える再生可能エネルギーであり、ヒートポンプではこれらの熱を利用するため、再生可能エネルギーの導入拡大やエネルギー自給率の向上につながります。技術の進歩により、家庭をはじめ、オフィスや商業施設、工場などの産業施設でも、さらなる普及と拡大が期待されています。

ヒートポンプの仕組み