電化推進のためのヒートポンプ等普及拡大に向けた提言について~エネルギー基本計画の見直しに向けて 重要論点及び期待事項~

2024年7月19日
電気事業連合会

 電気事業連合会は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、「S+3E」の同時達成を前提に、供給側の「電源の脱炭素化」、需要側の最大限の「電化の推進」に取り組み、持てる技術、知恵を結集し、積極的に挑戦しております。
 このたび、需要側の「電化推進」のため、その切り札となる「ヒートポンプ等普及拡大に向けた提言」をとりまとめましたのでお知らせいたします。


 ヒートポンプは、自然界に存在する熱エネルギー、すなわち再生可能エネルギーを汲み上げ、暖房や給湯に利用するシステムであり、省エネルギーやCO2削減の面で優れている上、DR(Demand Response)への活用などにより、再エネ出力制御の抑制等、再生可能エネルギー電源の有効活用や更なる導入拡大にも資する技術であります。
 (一財)ヒートポンプ・蓄熱センターの普及見通しでは、2050年に、家庭用、業務用、産業用のヒートポンプ機器が、カーボンニュートラル達成のため期待どおり導入された場合、2020年比で年間1億トンを超えるCO2削減効果が期待されると試算されております。これは、2020年のエネルギー起源CO2排出量約9.67億トンの約11%にあたり、非常に高いCO2削減効果となります。
 一方で、普及拡大の実現に向けては、燃焼系機器に比べてイニシャルコストが高いことや、有用性が十分に認知されていないなど、さまざまな課題が存在しています。
 電気事業連合会では、こうした課題を解決し、ヒートポンプ普及拡大を着実に推進するため、以下6つの提言を行います。


<ヒートポンプ普及拡大に向けた6つの提言>

1 普及拡大に向けた方向性の打ち出し(政策明確化)
2 導入にかかるコスト支援の実施(導入支援)
3 導入促進を目的とした技術支援の実施(技術支援)
4 設置主体への人材確保等の支援(人材確保)
5 柔軟性(フレキシビリティ)活用促進(DR活用)
6 技術の特性・利点の認知向上に向けた働きかけ(理解醸成)


 わたしたち電気事業連合会は、ヒートポンプの普及拡大による需要サイドのカーボンニュートラルを進めるため、ヒートポンプ等の認知度向上に向けた広報活動や、DR活用に向けた小売電気事業者への働きかけなどに、積極的に取り組んでまいります。
 また、電力各社の知恵と経験等を結集させ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて主体的・総合的に取り組み、地球温暖化防止と我が国の社会全体の進化・発展の両立に貢献してまいります。


以上