発送電分離

2015(平成27)年6月に、電力システム改革の第3弾として、電気事業法が改正され、2020(平成32)年4月より、送配電部門の中立性を一層確保する観点から、法的分離による発送電分離が行われます。

これに伴い、一般送配電事業者・送電事業者が、小売電気事業や発電事業を行うことが禁止されます(兼業規制による法的分離)。また、適正な競争関係を確保するため、一般送配電事業者・送電事業者と、そのグループの発電事業者や小売電気事業者に対し、取締役の兼職禁止等の行為規制も課されます。
さらに、小売料金規制の経過措置について、対象事業者を指定する制度とし、適正な競争関係が確保されている供給区域では、経過措置の解除が可能となります。
なお、制度の実施に向けた検証のプロセスで、課題が生じ法的分離の実施が困難になった場合には、一般電気事業者の送配電系統の計画や運用に関する機能のみを電力広域的運営推進機関に移管する「機能分離」の方式を再検討する可能性もあります。

海外における発送電分離の状況

米国やEUでは、1990(平成2)年代以降の電力自由化の流れの中で「発送電分離」が進められてきました。

  • 米国

    州によって対応は異なりますが、1990(平成2)年代後半の規制改革の中で、連邦エネルギー規制委員会(FERC)によって、送電部門は独立した系統運用者(ISO:独立系統運用者、RTO:地域送電機関)が運用を行うことが望ましいとされました。
    また、「発送電分離」を行い、電力自由化を実施した州の電気料金は、平均で約14セント/kWh(2008[平成20]年)となっており、全米平均約11セント/kWh(2008[平成20]年)を上回っています。一方、電力自由化を実施していない州の電気料金は平均約9.5セント/kWh(2008[平成20]年)となっており、全米平均よりも低い状況になっています。

  • EU

    EU各国は、英国やイタリアなど発電部門と送電部門の所有権を明確に分離した国と、フランスやドイツなど発電を行う会社と送電を行う会社同士に資本関係があることが許容されている国のいずれかに分かれています。
    また、徹底した「発送電分離」を行った英国の電力料金は、約0.04ユーロ/kWh、イタリアでも約0.03ユーロ/kWh上昇しているのに対して、実質的には発送一貫体制となっているフランスの電気料金はほとんど上昇していない状況になっています。

<参考>

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