近年、人の活動に伴う温室効果ガスの排出が著しく増加し、地球の平均気温が上昇する「地球温暖化」が、世界的な問題となっています。
温室効果ガス
地球を取り巻く大気中の水蒸気(H2O)、二酸化炭素(CO2)、メタンなどの気体は、太陽光線のほとんどを地上へ通過させる一方、地表面から宇宙へ放出する赤外線(熱線)は吸収する性質を持っており、この存在により急激な気温の変化が緩和されています。この効果は、温室のガラスの役目によく似ているので「温室効果」と呼ばれています。そして、こうした気体を「温室効果ガス」といいます。
日本原子力文化財団/原子力・エネルギー図面集
温室効果ガスには、CO2のほかメタンやフロンなどがあります。フロンなどの人工の化学物質はCO2より温室効果が強く、微量でもその影響が懸念されています。
温室効果ガスであるCO2の約80%が化石燃料の燃焼に起因するとされています。化石燃料の利用は、アジアを中心としたエネルギー消費量の増加や人口増加を背景に、今後も増え続けると見込まれ、それにともないCO2排出量の増加が予想されています。
日本原子力文化財団/原子力・エネルギー図面集
二酸化炭素情報分析センター (CDIAC)[米国エネルギー省/オークリッジ国立研究所]
世界気象機関(WMO)
地球温暖化の影響
地球温暖化は、地球にさまざまな影響を与えることが予想されています。
- 地球規模の洪水パターンの変化やそれによる乾燥化、湿潤化などの気候変動
- 氷河の融解や海水温度の上昇による海水面の上昇と、それによる沿岸地域の都市、田畑への浸水
- 生態系の変化や穀倉地帯のかんばつ
現状では地球温暖化による環境への影響の程度は、科学的に十分に解明されているわけではありませんが、世界が協力して取り組む共通の課題となっています。