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ドイツ政府、太陽光発電の全量買取制度を廃止する政府案を発表

2012年3月9日

ドイツのエネルギー事業を所管する連邦環境省と連邦経済技術省は2月23日、太陽光発電を対象とする全量買取制度を2013年から廃止する政府案を発表した。それによると、今年4月以降に電力系統に連系する太陽光発電については、各設備の発電量の85~90%を買取対象にする制度に変更する。また、今年3月9日から買取価格を引き下げるとともに、買取価格改定の頻度をこれまでの半年から各月ごとに変える制度を今年5月から採用することも盛り込まれている。ドイツでは、再生可能エネルギー法を2000年から施行、太陽光による電力を20年間固定した価格で全量買い取る制度をとってきた。こうした制度導入の結果、ドイツの太陽光発電設備は大きな伸びを示し、2010年時点の累積設備容量は1737万kWとなり、欧州連合(EU)域内全体の59%を占めており、2005年以降、世界1位の座を保っている。ただし、急速な太陽光発電設備の設置は、需要家の電気料金負担を増加させ、一般家庭の再生可能エネルギー買取負担額は月間で1000円を超えており、このうち約半分は太陽光発電によるものとされている。

さらなる太陽光発電の増加による電力需要家の費用負担額増加を危惧する政府は、太陽光発電を対象にした買取制度の見直しを2011年末から本格的に始めた。この過程で、連邦経済技術省は導入負担額の上昇を抑えるためには、太陽光発電設備の年間新設容量を100万kWに制限する制度導入の必要を主張、これに対して連邦環境省は買取価格の改定により太陽光発電の新設を抑制し、需要家の買取負担額の水準を管理することが可能という見解を示すなど意見の相違があり、制度変更を予定する2012年3月を目前に控えた2月中旬にようやく両省間の合意が成立した。

今回政府案の主な目的と変更内容としては、次の点があげられている。

 

・太陽光発電設備の価格低下に合わせて太陽光発電の買取価格を引き下げ、過剰な設備設置を防止する。

・これまでの各設備で発電する全量を買い取る制度を改め、一部の発電量については自家消費ないしは電力市場での売却を促す。

・月ごとに買取価格を改定する制度を導入して、買取価格改定前に駆け込みで太陽光発電設備が大量に電力系統に連系する現在の状況を改善する。

・導入目標は2012~2013年が250万~350万kW/年 とし、2014~2016年は2012~2013年の目標値から40万kW/年づつ引き下げ、2017年以降は90万~190万kW/年 とする。

・買取価格はこれまで設備の種類を区分して、その区分ごとに異なる買取価格を設定していたが、2012年3月9日からは4区分に整理、買取価格を2012年1月1日から3月8日までに連係した設備に比べて20~29%引き下げる。1万kW以上の設備については、設備区分に限らず買取制度の対象から外す。

・2012年5月からは、買取価格を月ごとに引き下げる。

・2012年3月9日以降に系統に連係する設備については、2013年1月1日から全量買取制度を廃止し、買取対象電力量を10kWまでの屋根上に設置する設備については各設備の85%、その他の設備については90%とする。

 

10年以上施行されてきた全量買取制度の内容を大きく変えることになる、こうした政府案に対しては、ドイツ国内に賛否両論が出ており、法制化されるまでには曲折が予想される。

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