海外電力関連 トピックス情報

ドイツ、再エネの出力想定に悩みを抱える送電系統運用者

2013年7月9日

ドイツの電気事業規制を担当する連邦系統規制庁は2013年6月28日、昨年冬の電力需給状況をまとめた報告書を公表した。ドイツでは、福島事故後に原子力発電所が8基閉鎖されたため、電力需要ピークが発生する冬場に需給ひっ迫が危惧される事態が続いており、同庁はその状況を総括する年次報告書を昨年からとりまとめている。同庁のホーマン長官は今回の発表に際して、「一昨年冬に比べて、昨年冬は暖冬であったため、緊迫した状況は少なかった」としたものの、「我々は決して安心して良い状況ではない」とも語った。報告書では、その裏付けとして、余剰電力が大量に発生した2つの事例を紹介している。2012年12月24日には、最大で850万kWの余剰電力が発生したが、その背景には昼過ぎからの8時間に風力発電の出力が400万kWから1900万kWに急上昇したことがあった。2013年2月10日には、太陽光発電の出力予測を誤り、大量の余剰電力が発生した。これは、送電系統運用者(TSO)が太陽光発電設備の上に雪がかぶさり、出力が低下するであろうと前日に想定したものの、実際にはその2倍の出力が記録されたために生じたもの。こうした出力変動が激しい再生可能エネルギーの大量導入によって、数百万kW単位の需給格差の調整を余儀なくされるドイツでは、調整用電源の確保が供給信頼度維持のために欠かせない。特に、閉鎖された原子力発電所が集中立地していた南部における電源確保が急務とされるが、同地域の電源は2013~2015年の間にはむしろ減少するとみられている。2013年4月末には、フランクフルト市南部で石炭火力発電所(出力25万kW)が州環境規制当局の命令により閉鎖されたが、連邦系統規制庁はこれによりフランクフルト市周辺ばかりかドイツ全土における安定供給が損なわれる可能性を指摘している。

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