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[OECD/NEA] 原子力発電所の建設コスト削減で報告書

2020年7月30日

経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)は7月2日、原子力発電所の建設コスト削減によってクリーン・エネルギーが普及する未来への道筋を示した報告書「原子力建設コストの削減:関係者のための解説書(Unlocking Reductions in the Construction Costs of Nuclear: A Practical Guide for Stakeholders)」を公表した。
同報告書は結論として、「世界各国が脱炭素化やエネルギー供給保証に向けた目標を達成したいのなら、今こそ行動を起こすべき時だ。新規原子力発電所の建設コストが廉価なものであれば、原子力はこれらの目標達成に重要な役割を果たすことが可能。各国政府は、産業界がこれまでに獲得した能力を活用するための政策枠組を創設することで、原子力建設コストの迅速な削減を支援できるかもしれない」と表明している。
OECD/NEAのW.マグウッド事務局長は「我々の分析によれば、建設プロジェクトにかかる高額なコストとスケジュールの遅延は原子力技術に固有の特徴ではなく、サプライチェーンの脆弱さやOECDに加盟する西側諸国で近年、原子力発電所の建設経験が不足していることが原因だ」と説明。
建設コストが市場ニーズに沿ったものなら、原子力は新型コロナウイルスによる感染後の短期的な経済復興や地球温暖化に関わる長期的な環境目標の達成に大きく貢献することができるとした。
同事務局長はまた、今回の報告書で原子力発電所建設コストの劇的な削減を高率で達成することができる確かな証拠を提示したと表明。
世界ではすでにいくつかの国で同コストの削減対策が進められているが、産業界と規制当局が一層協調していけば今後さらに大きな長期的利益がもたらされる。
産業界が片付けるべき課題が山積する一方で、各国政府がリーダーシップを取り、時宜に適った行動を起こすこともまた重要だと強調している。
OECD/NEAの報告書は主に、近年普及している第3世代の原子炉設計について潜在的なコストとプロジェクト・リスクを削減する可能性に焦点を当てている。
これらの設計では2030年までの短期間にコストの削減が可能であるほか、長期的には削減策を小型モジュール炉(SMR)や先進的原子炉設計を建設する際にも適用できるとした。
2030年以降の長期的なコスト削減策に関してはまた、建設プロジェクトに資金調達する枠組の設置段階で、政府と産業界および社会全体でリスクを分担・軽減するための構想について詳細な研究を行っている。
同報告書はさらに、原子力発電所建設プロジェクトの様々な段階で活用可能な8つのコスト削減項目を特定した。
それらは初号機の建設に際して「完成度の高い原子炉設計を開発すること」と「効果的なプロジェクト管理」、「規制面の予測可能性と安定性の確保」、および「同一サイトでの複数ユニット建設と複数サイトでの同一設計建設で習熟効果を得ること」である。
初号機の完成後は「設計の合理化」や「技術とプロセスの刷新」、「規制当局への対応の再検討」、「原子炉設計の規格と各国毎の許認可体制の間で一層の調和を図ること」を指摘。
これらを通じて、建設コストを一定値まで下げることができるとしている。
(参照資料:OECD/NEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月3日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会

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