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[カナダ] 処分場計画、建設候補地の1つで試験孔の掘削準備が進展

2021年2月2日

カナダで使用済燃料の深地層処分場建設計画を進めている核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、最終候補となった2地点のうち、オンタリオ州南部のサウスブルース地域で今春から開始を予定している試験孔の掘削と試験実施の準備が大幅に進展したと発表した。
  1本目の試験孔の掘削場所と、現地に入る交通アクセスの整備が同地域のティーズウォーター北東部で完了したもので、NWMOは2本目の掘削準備についてもまもなく完了すると説明。
試験孔を通じて候補地の潜在的な適性を評価した後はさらに詳細な評価を実施し、使用済燃料の安全かつ長期的な処分に適するとともに、処分場の受け入れにも協力的な好ましい1地点を2023年までに最終決定する方針である。
NWMOは、使用済燃料を再処理せずに直接処分する同処分場のサイト選定プロセスを2010年に開始しており、施設の受け入れに関心を表明したカナダ国内の22地点をオンタリオ州内の2地点まで絞り込んだ。
サウスブルース地域ともう一方の候補地である同州北西部のイグナス地域では、サイト選定プロセスの第3段階としてNWMOが「(処分場としての)適性の予備評価」を実施中。
この段階ではどちらも第1フェーズ(机上調査)の作業が終了し、第2フェーズの現地調査を行っている。
発表によると、試験孔の掘削スケジュールはサウスブルース地域の適性を一層詳しく理解する上で必要な重要情報の収集に配慮。
これと同時に、現地の地方自治体や先住民コミュニティとの交流や協議にも十分な時間を確保している。
NWMOはまた、合計2本の試験孔掘削に向けて数多くの準備活動を実施しており、例として考古学や地形学関係の調査、現地先住民の文化や儀式に関する調査、掘削にともなう騒音や放出物の事前調査、源泉からの試料採取などを挙げた。
これらのほかにもNWMOは、候補地の地主らと対話を図り、主要な井戸水の水質試験実施や3D地震探査用のデータ入手などで協力を要請。
地震探査データは地表岩盤層のイメージ作成や、断層の有無などを評価するのに用いるとしている。
なお、2本目の試験孔掘削予定地については、今年の作業としてNWMOは水質をさらに詳細に調査するため、域内に微小地震モニタリング・ステーションや浅地中地下水のモニタリング井戸を設置する計画である。
(参照資料:NWMOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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