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[英国・フランス]英仏首脳 サイズウェルC建設計画を全面支援

2022年10月13日

英国イングランド南東部のサフォーク州で、EDFエナジー社が準備しているサイズウェルC(SZC)原子力発電所(UK-EPR、167万kW×2基)建設計画について、英仏の首脳は10月6日の共同声明で両国政府が全面的に支援する考えを確認した。


この声明文は、フランスのE.マクロン大統領の提唱によりチェコのプラハで開催された「欧州政治共同体(EPC)」の第一回会合に合わせ、同大統領と英国のL.トラス首相が初めて会談し、取りまとめた。


両国首脳は、ロシア産化石燃料からの脱却とクリーンエネルギーへの移行は両国共通の課題であるとした上で、エネルギー関係の協力促進を特に協議。
原子力発電は再生可能エネルギーとともに、一貫性のあるクリーンエネルギーへの移行戦略の一部であると再確認し、SZC建設計画を全面的に支援していくことで合意した。
両首脳は、来月にもSZC関係者が「最終投資決定(FID)」を下すなど、建設準備を整えることを期待すると述べた。


来年開催される英仏首脳会談に先立ち、首脳らはまた、両国間の民生用原子力協力全般について、イノベーションやインフラ開発、人材育成等についての協力をさらに拡大していく方針を表明している。


SZC計画では、フランス電力の英法人であるEDFエナジー社の下で同計画を担当する子会社の「NNB GenCo(SZC)社」が2020年5月、英国の2008年計画法に基づき、国家的重要度の高いインフラ設備の建設・操業プロジェクトで取得が義務付けられている「開発合意書(DCO)」の申請書を計画審査庁(PI)に提出した。
今年7月に、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のK.クワルテング大臣(当時)は、PIの審査当局が提出した報告書や、その他の関係文書を慎重に考慮した結果、同計画へのDCO発給を決定している。


なお、トラス政権の発足に伴いBEISでは新たにJ.リースモッグ大臣が就任し、保守党党大会における4日のパネル討論で「原子力発電を誠実に支援していく」考えを表明した。
この討論には産業界の代表者も加わり、英国における将来のエネルギーミックスの中で原子力が果たす役割について議論。
同大臣は将来のいかなるエネルギー戦略においても、原子力は確実に中心的役割を担うと述べた。
また、この戦略にはベースロードの電力を安定して供給することの重要性があると指摘しており、同大臣としては1950年代から英国で信頼性の高い電力を供給してきた原子力であれば、今後もその役割を託すと明言している。


同大臣はさらに、「原子力なくしてCO2排出量の実質ゼロ化は不可能、それどころか電力供給の確保戦略さえあり得ない」と表明。
同大臣によれば、原子力は安全かつ十分な理解も得られている優れたエネルギー・オプションであり、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻といった地政学的な出来事からも被害を受けにくく、1kWhあたりのコストも予測しやすい。
同大臣は「大型原子力発電所の建設にふさわしい場所はどこにでもある」と述べており、SZC発電所だけで600万戸を超える世帯に少なくとも60年間、信頼性の高い低炭素な電力を供給可能だと指摘している。


(参照資料:英国政府EDFエナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月7日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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