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[ウズベキスタン] ロシア製SMR建設で政府間合意

2024年6月12日

ロシアのプーチン大統領がウズベキスタンを公式訪問した5月27日、両国首脳はウズベキスタンにおける原子力発電所建設の協力に関する2018年の政府間協定を改正し、ロシア製小型モジュール炉(SMR)の建設を含む協力拡大で合意した。


同日、ロシア国営原子力企業ロスアトム傘下のエンジニアリング部門である「アトムストロイエクスポルト」社とウズベキスタン原子力庁(ウザトム:Uzatom)傘下の「原子力発電所建設総局」は、ウズベキスタンにおけるSMRの建設契約に調印した。ウズベキスタン東部のジザク州にロシア製RITM-200N(PWR、5.5万kW)6基構成のSMR発電所を建設する計画で、ロスアトムが主契約者となり、現地企業も建設に参加して今夏にも着工予定。選定サイトはすでに調査済みで、その適性と安全性は確認されており、プロジェクトの実施期間の大幅な短縮が見込まれる。なお、2018年9月に締結された政府間協定では、ウズベキスタンにロシア型PWR(VVER)のうち、120万kW級のVVER-1200を2基建設することを規定していた。


ウザトムのA.アフメドハジャエフ長官は、「ウズベキスタンのエネルギー需要は2050年までにほぼ倍増する見込みで、エネルギーシステムの安定稼働と経済発展のためには再生可能エネルギー源に加えてベースロード電源の確保が不可欠」と指摘。そのうえで、同長官は「ロスアトムとの協力関係を拡大し、ウズベキスタンのエネルギー部門を先進的な原子力技術によって強化する」とSMR導入に意欲を示した。国連エネルギー統計年鑑(2021年)などによると、ウズベキスタンの総発電電力量は約710億kWh(2021年)で、火力発電が93%(ほぼ天然ガス利用)を占めている。


ロシアの最新SMRであるRITM-200Nは、革新的な海洋技術を陸上用に改良。熱出力は19万kWt、電気出力は5.5万kWe、設計運転年数は60年である。RITM-200Nは2012年以降、ロシアの原子力砕氷船「アルクティカ」、「シベリア」、「ウラル」、「ヤクーチア」、「チュコトカ」向けに10基が製造され、最初の3隻はすでに北極圏西部で就航中。


また、RITM-200N原子炉をベースにした陸上設置型SMRは、サハ共和国北部のウスチ・クイガ村で建設中。2027年の起動、2028年の運転開始を予定している。周辺の鉱床開発などの産業企業に電力を供給する計画だ。

 

【情報提供:原子力産業新聞

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