経営トップによるリスクガバナンス強化
原子力事業者は、経営トップが強い決意のもと、自ら原子力のリスクと向き合って対処する「リスクガバナンス」を強化しています。
原子力産業界全体としては、頻度は少なくても万一発生すると甚大な被害が予測される事態のリスク評価(確率論的リスク評価:PRA)※1の考え方や、「原子力リスク研究センター(NRRC) ※2」が保有する安全対策上の土台となる知見等の活用など、原子力発電所の安全性をより一層向上させるよう取り組んでいます。
※1 原子炉施設などで発生するあらゆる事故を想定した上で、その発生頻度と発生時の影響を定量的に評価し、その積の大きさで「リスク」を比較することにより安全性の度合いを表現する方法。
※2 2014(平成26)年10月にPRA手法およびリスクマネジメント手法の国際的な中核的研究拠点として設立。
電力中央研究所
外部の視点も活用し安全性を追求
さらに、社内の原子力安全監視機能の充実を図ることはもとより、原子力安全推進協会(JANSI)によるピアレビュー(相互評価) ※3なども取り入れ、原子力発電所の実態を外部からの視点で評価してもらい、提言・勧告を積極的に取り入れていきます。
※3 豊富な業務経験を持つ原子力の専門家らが、評価対象の原子力発電所を実際に訪問し、安全性や信頼性の確保に関する組織・管理体制などを評価するもの。評価に際しては、原子力発電所の現場を子細に見て回り問題点を探るなど、入念な観察が行われ、署員との面談や議論も行われる。
日本原子力文化財団/原子力・原子力総合パンフレットWEB版
原子力安全推進協会(JANSI)
電力中央研究所
日本原子力発電
原子力産業界の各組織トップからのメッセージ
2019年3月11日で、東日本大震災から9年が経過し、10年目を迎えた。
日本の原子力事業者は、福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないという強い決意のもと、新規制基準に的確に対応するとともに、規制の枠組みに留まらない、より高い次元の安全性確保に向けた自主的な取り組みを継続して行ってきた。
原子力産業界の各組織のトップインタビューを通じて、それぞれの組織の目的や安全性向上に向けた取り組みを紹介する。
NRRC
(電力中央研究所・原子力リスク研究センター)
センター所長:
ジョージ・アポストラキス 博士 インタビュー
( Dr. George Apostolakis )
参考:ジョージ・アポストラキス氏 略歴
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1946年
4月生
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1969年
アテネ国立技術大学 電気工学専攻
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1970年
カリフォルニア工科大学 M.S.(工学)
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1973年
カリフォルニア工科大学 Ph.D.(工学・応用数学)
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1974-1995年
カリフォルニア大学 ロサンゼルス校 教授等
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1995-2010年
マサチューセッツ工科大学 教授
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1995-2010年
米国原子力規制委員会(NRC)
原子炉安全諮問委員会(ACRS)委員(2001-2002 議長) -
2007年
全米技術アカデミー選出
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2010-2014年
米国原子力規制委員会(NRC)委員(Commissioner)
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2010年-現在
マサチューセッツ工科大学 名誉教授
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2015年
Henry DeWolf Smyth Nuclear Statesman賞受賞(米国原子力学会および原子力エネルギー協会)
ATENA(原子力エネルギー協議会)
前理事長 門上 英氏 インタビュー
参考:門上英氏 略歴
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1953年
8月生
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1978年3月
九州大学大学院(応用原子核工学専攻)卒
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1978年4月
三菱重工業株式会社入社
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2008年4月
三菱重工業株式会社 神戸造船所副所長
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2009年10月
同社 原子力事業本部事業本部長代理
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2011年4月
同社 執行役員,原子力事業本部副事業本部長兼神戸造船所長
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2014年4月
同社 常務執行役員,エネルギー・環境ドメイン原子力事業部長
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2018年4月
同社 特別顧問(現職)