2024年12月30日付の米国の報道によると、中国科学院上海応用物理研究所(SINAP)は同国ゴビ砂漠において、トリウムを燃料とする溶融塩実証炉の建設を2025年に開始する予定である。

中国国家核安全局が同年11月に受理した同炉の環境影響報告書によると、炉心グラファイト部は高さ3m、直径2.8m、炉心出口温度700℃で稼働し、熱出力は6万kW、電気出力は1万kWで、2030年に稼働を開始する予定だという。

本実証炉プロジェクトは、同じサイトで2021年に完成し、それ以来稼働している2,000kWの実験炉に続くもの。

同報道では、中国は同取り組みにより、トリウム燃料増殖と溶融塩炉の両方において、世界の最先端に躍り出るとしている。

トリウム232は、ウラン235よりも地球上に豊富に存在するが、核分裂性ウラン233への変換が必要とされる。

新華社通信によると、甘粛省ではこの未来のエネルギー供給を海洋や航空宇宙分野での利用を視野に入れているという。

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

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