ヘリオンエナジー社は2025年7月30日、ワシントン州マラガのオリオン発電所(核融合炉)について、初期の土木工事と建設工事の開始を発表した。これは、同州の包括的な環境審査プロセスSEPA(州環境政策法)に基づく「影響が軽微との決定」(MDNS)を経て実現。同社は、同発電所の建設・運転に必要な残りの許認可プロセスを進め、マイクロソフト社との電力購入契約(PPA)に基づき、2028年までの稼働後、1年間の立ち上げ期間を経て発電出力5万kW以上を目指すとしている。特許取得済みのパルス式非点火技術を採用することで、装置の小型化を実現するとともに、従来のような蒸気タービンを介さずに電力を直接回収する効率的な発電を可能としている。燃料には重水素とヘリウム3を用いる。同社は2021年、民間企業として初めて1億℃のプラズマ生成に成功しており、現在は7基目の試作機による実証試験が進行中である。

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

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