欧州委員会は2026年5月11日、欧州排出量取引制度(EU-ETS)における2026~2030年の無償排出枠配分のベンチマーク案を公表し、意見募集を開始した。

ベンチマークはエネルギー多消費産業向けの無償排出枠量を算定する基準値で、54の工業製品を対象に5年ごとに見直している。

本来は技術進歩や脱炭素化を反映して段階的に厳格化されるが、今回案では産業競争力を重視し、産業部門が引き続き平均で排出量の約75%をカバーする無償排出枠を受け取れるとしている。

また、産業の電化を阻害しないよう、14製品のベンチマークでは、電力使用に伴う間接排出を引き続き考慮対象に含めた。

発電部門の排出コストが電気料金に反映されるため、電力多消費産業では間接的な炭素負担が生じる。

このため、一部製品では無償排出枠の算定時に電力使用由来の間接排出も考慮し、負担増を抑制している。

これによる財政影響は2026~2030年で約40億ユーロに上る見通しである。

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会】

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