【定例会見】浜岡原子力発電所における不適切事案/特定小売供給約款の変更届出における原価算定の誤り/エネルギー需給構造強靭化総合パッケージ/中間貯蔵施設への使用済燃料の搬入計画

浜岡原子力発電所における不適切事案について

はじめに、9月14日に調査結果が公表された、浜岡原子力発電所における不適切事案について申し上げます。

今回の事案は、地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまからの原子力事業に対する信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない、極めて深刻なものと受け止めております。原子力事業を担う業界を代表し、広く社会の皆さまにご不安を与え、強いご不信を招いてしまっていることについて、心より深くお詫び申し上げます。

調査結果では、一部の社員が確信的に不適切な行為を行っていたことや、その背景に、社会や地域からの視点よりも社内の論理を優先する考え方があったことなどが指摘されました。
また、高度な専門性を背景に一部の業務がブラックボックス化し、組織としての監視や牽制が十分に機能しにくい状況が生じていたことや、社内の専門家や内部通報を通じて問題が指摘され、是正する機会があったにも関わらず、十分に活かすことができなかったことなども示されています。

原子力事業を営むうえで、安全確保のための規制に真摯かつ丁寧に対応し、必要な説明や正確な情報提供を行うことは、いかなる事情があろうとも、当然果たすべき責務であります。
独自の判断や考え方を優先し、こうした責務を軽視したり、そのような行為を正当化したりすること、また、組織としてそれに歯止めをかけられないようなことは、決してあってはなりません。

今回の調査結果により明らかになった、不適切な行為に至った背景や原因について、業界を代表する電事連会長として、非常に重く、厳粛に受け止めております。

調査結果を踏まえ、中部電力は、本事案の本質的な問題は組織の機能不全にあると捉え、ガバナンスおよび組織風土の再構築に向けた、抜本的な経営改革に取り組むこととしております。
中部電力には、新たな経営体制のもとで、経営改革を着実に実行するとともに、その取り組みについて、社会に対して丁寧に、継続的に説明していただきたいと思います。

私ども電力業界としても、今回の事案を一事業者だけの問題と捉えることなく、業界全体の教訓として受け止めなければなりません。
原子力事業を着実に進めていくためには、安全の確保を大前提に、規制に真摯かつ的確に対応し、透明性をもって事業を進め、地域や社会の皆さまからの信頼を一つひとつ積み重ねていくことが不可欠となります。

今回の事案の教訓を各事業者の具体的な行動につなげるため、ATENAとも連携して調査結果の精査を進め、各事業者に共通する課題や講ずべき対策を検討したうえで、着実に実行に移してまいります。今回のような事案を決して繰り返さないとの強い決意のもと、得られた教訓を各事業者が自らの事業運営にしっかりと活かし、責任をもって原子力事業を進めていくため、電事連としても全力で取り組んでまいります。

特定小売供給約款の変更届出における原価算定の誤りについて

次に、今般、中部電力ミライズおよび関西電力において、特定小売供給約款、いわゆる経過措置料金の変更届出における原価算定に、誤りがあったことが確認されております。

こうした事案は、お客さまをはじめとする関係者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけするとともに、電気料金の適正性・信頼性を大きく毀損しかねないものであり、大変重大な事案であると受け止めております。

今回の事案を受け、会員各社に対し、原価算定をはじめとする経過措置料金に係る各種対応について、法令等に基づき、適切かつ慎重に対応するよう注意喚起を行っております。

誤りが確認された社においては、必要な是正対応と再発防止を進めるとともに、全ての会員会社において、同様の事案がないか、あらためて精査を行っております。こうした取り組みを徹底し、電気料金の適正性・信頼性の確保に万全を期してまいります。

「エネルギー需給構造強靭化総合パッケージ」について

では、ここからは、8月26日に私自身も関西電力の社長として参加した「GX実行会議」において取りまとめられた、「エネルギー需給構造強靭化総合パッケージ」について申し上げます。

本パッケージでは、化石燃料の調達先の多角化によるリスク低減と、化石燃料への依存度の低減を両輪として、わが国のエネルギー需給構造を強靱化する方向性が示されました。

これは、エネルギー安全保障の強化により、国民生活や経済活動の安定、さらにはわが国の成長につなげていくとするものであり、こうした考え方が政府から明確に打ち出されたことについて、電力業界として心強く受け止めております。

とりわけ、電力需要の増加への対応を、我が国の競争力に関わる重要課題と位置づけたうえで、安全性の確保を大前提とした原子力の最大限活用や、次世代革新炉の早期導入などを進める方向性が示されたことは、大変意義深いものと考えております。

こうした方向性を具体的な取り組みにつなげていくためにも、私から、特に重要と考える事項について、3点申し上げます。

1点目は、次世代革新炉を含む脱炭素電源の開発・建設を加速していくための事業環境整備です。特に原子力については、開発のリードタイムが長いことから、制度面での事業環境整備が喫緊の課題となっております。
国においても広域機関による融資制度等の取り組みを進められているものと認識しておりますが、資金調達に加え、技術・人材・サプライチェーンや規制も含めた長期的な事業予見性の確保について、引き続き、議論を深めていく必要があると考えております。

2点目は、電力システム全体を俯瞰した取り組みの強化です。増加する電力需要に的確に対応していくためには、新たな電源や需要側の設備を円滑に系統へ接続することが不可欠です。1点目と同様、広域機関による融資制度でも先行的・計画的な系統整備を後押ししていくものと認識しておりますが、求められるスピードに応じられるか絶えず検証し、必要に応じて機動的に仕組みを見直していくことが望ましいと考えております。

そして3点目が、事業者自身の努力と創意工夫です。今ほど申し上げた取り組みを実際に進めていくためには、制度面での環境整備に加え、事業者自身の主体的な取り組みも欠かせません。私ども電気事業者も、時代とともに変化するお客さまのニーズに機敏にお応えしながら、不断の努力と創意工夫を重ねてまいりたいと考えております。

以上、安定供給と脱炭素化を両立しながら、増加する電力需要を賄う供給力を確保していくことは、わが国の産業競争力や経済成長を支える、まさに日本経済の生命線であります。官民で知恵を結集し、電力業界としても、国民生活と経済・産業の発展をしっかりと支えてまいります。

中間貯蔵施設への使用済燃料の搬入計画について

最後に、本日、東京電力ホールディングスおよび日本原子力発電が、中間貯蔵施設への使用済燃料の搬入計画について、改めてむつ市へご説明されたと承知しております。

「第7次エネルギー基本計画」および「今後の原子力政策の方向性と行動指針」でも示されている通り、事業者間連携は使用済燃料対策の柔軟性を確保するうえで大きな意義があるものと認識しております。

一方で、中間貯蔵施設は、事業者が主体となり、地域の皆さまの信頼とご理解をいただきながら、設置・運営していくことが大前提となります。

電事連としても、引き続き、動向を注視するとともに、業界としての協力が求められる場合には、必要な役割を果たしてまいりたいと考えております。

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会見要旨