【定例会見】中部電力浜岡原子力発電所における不適切事案の国への報告/事業環境整備等の制度設計
中部電力浜岡原子力発電所における不適切事案の国への報告
電気事業連合会の森でございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会見のテーマは2点でございます。
1点目としては、中部電力浜岡原子力発電所における不適切事案の国への報告について、それから2点目は、事業環境整備等の制度設計について、至近の中東情勢も踏まえて申し上げたいと思います。
まず、中部電力の浜岡の件でございます。
3月31日、中部電力が、浜岡原子力発電所における不適切事案について、経済産業省、それから原子力規制委員会に調査状況の報告をいたしました。
今回は、現時点で事実として認定・報告できている事項、あるいは中部電力として検討している対応の方向性、これらについて報告がなされました。
一方で、中部電力社内に設置した第3者委員会による調査、これが道半ばということでございまして、本事案が発生した背景や原因究明等は継続して調査を行うという風に聞いております。
先日も申しましたが、本事案は、原子力事業の根幹を揺るがしかねない極めて深刻なものであると受け止めております。
電事連としても、各社の原子力部門で実施しておりますコンプライアンス遵守に向けた取組みを他社でも導入できるように、好事例、その共有や水平展開の仕組みの検討を進めているところでございます。引き続き、今後の中部電力等の調査状況を注視していくとともに、電事連としても、ATENAと連携しての対策検討、安全最優先の意識醸成、こういうことに取り組んでまいります。
事業環境整備等の制度設計
続きまして、国で進められている事業環境整備等の制度設計の議論について申し上げます。
先日、国の基盤構築小委において、電力システム改革の検証議論を踏まえた制度設計の対応方針、これがとりまとめられました。
今回示された対応方針では、事業者として求めておりました供給力確保に向けた電源投資等に対するファイナンス、これらの事業環境整備が盛り込まれました。
また、ロシアによるウクライナ侵攻によって燃料費が高騰した際に、小売事業者が撤退するということになり、需要家の皆さまに供給不安が発生いたしました。このことを受けて、小売事業者に一定量の供給力を確保することを義務づける内容も含まれております。
システム改革の開始当初の前提にとらわれることなく、将来にわたって安定供給を確保するために、必要な検討が進められたものと受け止めております。
一方で、経過措置料金の扱いについてですが、今後検討を深めるという風に整理されました。持続的な電力システムを構築する上では、電力関連産業のサプライチェーンを維持するために、適切なコストを回収し、かつ、将来の電源確保等の投資につなげる好循環を生み出すことが、極めて重要であります。
現在の燃料費の高騰やGX-ETSの導入、さらには高度化法の義務等、脱炭素関連の政策によって、今後、小売事業者の負担がますます増加することが見込まれます。これら、いわゆる社会の変化に応じて必要となるコストについて、経過措置料金にも柔軟に反映できる仕組み、この構築が必要不可欠であります。国におかれましては、他の対応に後れを取らぬよう、経過措置料金の取扱いについても、速やかに整理をいただきたいと考えております。
なお、今回とりまとめられた対応方針でございますが、今後、国において、審議会の場で詳細な議論が進められると認識しております。また、法制上も含めた必要な措置の具体化も図られるものと考えております。引き続き、早期に具体的な施策に反映されるように検討を深めていただきたいと思います。
続いて、中東情勢を踏まえた対応について申し上げます。
ホルムズ海峡の一時的な封鎖によって、燃料不足や価格高騰リスク、これが顕在化いたしました。資源の少ない我が国において、安定供給を維持するためには、エネルギー源やその調達先の多角化、これが求められます。
再エネや原子力の最大限の活用は勿論のこと、火力についても調達先や燃種の多様化を図って、供給途絶や価格高騰リスクに備える必要があります。
今回、改めて、火力発電のサプライチェーン確保の重要性が浮き彫りになったということを一つの教訓として、有事の際に必要となる対応について、既存の方針にとらわれることなく検討を深めることが重要であります。
例えば、欧州においてはエネルギー政策を柔軟に見直す動きも出てきております。今年3 月に開催されたEU首脳会議において、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が、EU-ETSの見直し方針を発表されました。欧州委員会は、この発表を受けて、7月までに無償割当の延長を含む改正案を提出することとしております。
このように海外では、安定供給や価格抑制、脱炭素化政策、これらのバランスの在り方について、改めて検討が行われている状況でございます。
我が国においても、国民の暮らしと産業を守り、国力をしっかりと維持していく、このためにも何を優先していくべきか。安定供給と脱炭素化、これらにかかる政策の優先順位をつけて、広い視野で柔軟に制度を運用していただきたいと思っております。
事業者としても、国とも協調しながら多岐にわたる課題をひとつ1つ、着実に解決していくよう努めてまいります。
私からは以上でございます。


























