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[ドイツ] 老朽火力へのCO2排出課税案に賛否両論

2015年5月25日

地元有力誌は2015年4月23日、連邦経済エネルギー省が導入を検討している発電所を対象としたCO2排出課税案に対して、与党内でも事業者間でも意見が割れていると報じた。

同省は、運転年数が20年以上経過した火力発電所にあらかじめ設定したCO2の排出上限値を超えた排出分に1t当たり18~20ユーロを課税する案を検討しているが、実質的に課税の対象となるのは褐炭火力となる見込み。

そのため、RWEなど褐炭火力を主力とする発電事業者は同案に反対している。

他方、ガス火力を主力とする公営電力75社はCO2課税案を歓迎する意見を表明している。

ドイツでは再エネの大量導入の影響により卸電力価格が低下した結果、ガス火力発電所の稼働率が落ち、同発電所が閉鎖に追い込まれるケースがみられる一方、褐炭火力は堅調な稼働率を維持できている。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)内では、褐炭火力や褐炭鉱が所在するノルトライン・ヴェストファーレン、ザクセン、ザクセン・アンハルトの諸州におけるCDU所属議員がCO2排出課税案に反対する一方、気候変動問題を担当するCDUの連邦議会議員は連邦政府が設定している「1990年比で2020年までに温室効果ガスを40%削減する」目標の達成に同税の導入が不可欠と主張している。

2015年6月にドイツで行われるG7サミットで気候変動問題をトップテーマとして取り上げたいとしているメルケル首相が今後、ドイツ国内におけるCO2排出課税案をめぐる騒動にどう決着をつけるのかが注目される。

 

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