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[インド] ゴラクプールの国産加圧重水炉建設で掘削開始

2018年4月18日

インド原子力発電公社(NPCIL)は3月24日、北部ハリヤナ州のゴラクプールで70万kWの国産加圧重水炉(PHWR)を2基建設するため、地盤の掘削工事を開始したと発表した。
同発電所Ⅰ期工事にあたるこれら2基は、国内原子力産業の急速な発展を促すために政府が2017年5月に閣議決定した10基の70万kW級国産PHWR建設計画の一部。
約6年後の完成を目指して、2019年に1号機の原子炉系統部分で最初のコンクリート打設を行うと見られている。
電力不足に悩むインドは、2032年までに原子力発電設備を6、300万kWとし、2050年までに総発電量に占める原子力の割合を25%に拡大する目標を掲げている。
現在、22基・678万kWの原子力発電所が稼働中だが、ロシアから導入した2基の100万kW級PWRを除くと、国産PHWRのほとんどが出力22万kWで、最大でも54万kW。
このため、NPCILは原子炉の大型化を進めており、建設中の6基はすべて70万kW以上、このうち4基が70万kWの国産PHWR(カクラパー3、4号機とラジャスタン7、8号機)だとしている。
ハリヤナ州初の原子力発電設備となるゴラクプール発電所では、最終的に70万kWのPHWRを4基建設する計画で、NPCILはすでに2014年1月に1、2号機の起工式を開催。
翌2015年7月には、インド原子力規制委員会(AERB)が4基分の立地許可を発給した。
それ以降、プレ・プロジェクト活動として進めていた用地の取得やサイト調査、環境面と規制面で必要な許認可手続などが、このほど完了したとNPCILは説明。
2基分で総工費2、059.4億ルピー(約3、347億円)のプロジェクトであり、完成すれば北部送電網に140万kWのベースロード電源が加わるとの認識を示している。
なお、閣議決定済みの国産PHWR・10基のうち、カルナータカ州にあるカイガ原子力発電所で増設する2基以外はすべて新規サイトでの建設計画。
ハリヤナ州のゴラクプール1、2号機のほかに、マディヤ・プラデシュ州チャットカで2基、ラジャスタン州マヒ・バーンスワーラーで4基となっている。
海外から100万kW級の軽水炉を導入する計画も徐々に進展しており、タミル・ナドゥ州クダンクラムでロシア型PWRの1、2号機が稼働中なのに加え、3、4号機が昨年6月と10月にそれぞれ着工した。
後続の5、6号機についても、NPCILとロシアのエンジニアリング企業が同年6月、一般枠組協定およびプロジェクトの実施に必要な政府間信用議定書に調印した。
また、南西部マハラシュトラ州ジャイタプールにおける6基の欧州加圧水型炉(EPR)建設計画について、NPCILは機器の調達活動など産業界関連の枠組に関する協定を今月10日にフランス電力(EDF)と締結。
今年末頃の着工を目指すことを双方が再確認している。

 

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