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[米国] 米エネ省、先進的原子力技術開発支援に今年度は6,400万ドル

2018年7月12日

米エネルギー省(DOE)は6月18日、先進的原子力技術の研究開発支援金として、今年9月までの2018会計年度に傘下の国立研究所、産業界および29州の39大学に対し、合計約6,400万ドルを交付すると発表した。
この投資は、関係イニシアチブである「原子力エネルギー大学プログラム(NEUP)」、「原子力エネルギー実践技術(NEET)」、「原子力科学ユーザー施設(NSUF)」を通じて、DOEが毎年行っているもの。
原子力関係の研究開発や施設利用、分野横断的技術とインフラの開発等で資金面の便宜を図るため、原子力局(NE)は今回、合計89件のプロジェクトを選定した。
NE幹部によると、「原子力は米国のエネルギー・ミックスにおける重要部分であり、クリーンで安全かつ信頼性も高い原子力の恩恵を、将来世代の米国民が享受し続けられるよう保証する上でこれらの投資は必要。
先進的原子力技術の開発で不可欠の基本的インフラ設備や機能を研究者に提供するため、支援していきたい」としている。
6,400万ドルのうち4,700万ドルがNEUP分で、大学が主導する63件の研究開発プロジェクト支援に充てられる。
分野は「核燃料サイクル」、「原子力エネルギー」、「先進的モデリングとシミュレーション」、「原子炉概念の研究開発・実証」に分かれており、選定されたプロジェクトの中には、深地層処分場関係や使用済燃料の乾式貯蔵用キャニスターにおける応力腐食割れ関係のものが多数見受けられる。
NEはまた、溶融塩炉や高温ガス炉、事故耐性原子力発電所に関するプロジェクトも複数選定。
このようなプロジェクトを通じて、国内トップ・レベルの工学系、科学系の学部やその学部生に革新的技術開発の機会を与えることは、民生用の原子力研究で米国がリーダー的立場を維持することにつながるとした。
NEUPではこのほか、大学の研究炉とそのインフラ改善に関する18プロジェクトに500万ドルを提供。
国内25基の大学研究炉について、安全性、性能、教育訓練の各面でアップグレードを支援することになるとした。
NEETの枠内では、DOEは5つの研究開発プロジェクトそれぞれに100万ドルずつ、合計500万ドルを割り当てた。
これらのプロジェクトは主に、原子力関係の分野横断的課題に取り組む内容で、新型センサーや計測機器、先進的製造方法などの開発が行われる。
NSUFとしては、産業界が主導する1件のプロジェクトと大学主導の2件に対して、総額660万ドルが核燃料と材料物質に関する調査研究に充当される。
総額のうち140万ドルはプロジェクト3件の研究資金で、残りの520万ドルはこれら3件およびNEUPプロジェクト1件で使用される関係施設と専門的知見の利用経費。
NSUFを通じて、中性子やイオンの照射試験設備や照射後試験設備、シンクロトロン・ビーム設備などが活用されるとともに、試験の設計・分析に対する技術的支援が提供されるとしている。

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