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[フランス] エネルギー業界、原子力発電切り出し制度の改革に反対

2018年10月18日

フランスのエネルギー事業者団体(Afieg、Anode、Uprigaz、Cleee)は2018年9月18日、エネルギー上級評議会(CSE:環境移行・連帯省の諮問機関)で審議された原子力発電切り出し制度(Arenh)の改革に反対を表明した。
Arenhとは、EDF(フランス電力)の原子力発電電力量の一部(25%、年間上限1000億kWh)を規制料金(42ユーロ/MWh)で新規参入事業者に売却する制度。
2015年には卸市場価格がArenh価格を下回り、2016年受渡分への申込みがゼロとなった。
しかし、2016年後半からの卸市場価格の上昇に伴い、既に2017年分の需要家への売電電力を市場価格で確保していた小売事業者が、卸市場で高値で再販するため、Arenh電力の購入を申し込む事態が発生した。
そのため、エネルギー・気候変動総局(DGEC)は2018年3月、会計検査院からのArenh改善勧告を受け、「Arenhへの申込回数を現行の年1回から年4回に増やす」、「事業者は、電力購入の申込量を前回の申込量から減らすことができない」など、事業者への規制を強化する改革案を提出した。
今回のCSEでは、これらの改革案をほぼ踏襲した政令(デクレ)案の審議が行われた。
これに対して事業者団体は、今回「ほぼEDFの独占状態である電力小売市場において、新規事業者の競争力が奪われる」として、ド・リュジ環境移行・連帯大臣にArenh改革の中止を訴えたものである。
また、これら業界団体は、現在の卸市場価格(60ユーロ/MWh)がArenh価格を大きく上回っていることから、売電量の上限の引き上げも要求している。
なお、2018年受渡分への申込は871億kWhであった。 

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