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[スイス] 深地層処分場のサイト選定プロセスが最終段階に
2019年1月8日
スイスで放射性廃棄物処分の実施主体となっている放射性廃棄物管理協同組合(NAGRA)の11月22日付け発表によると、同国の連邦参事会(内閣)は深地層処分場のサイト選定プロセスを最終段階である第3段階に進め、NAGRAによる3つの候補エリアの調査を続行すべきであると決定した。
NAGRAは2016年と2017年、候補エリアとして選定した「ジュラ東部」の8地点と、「チューリッヒ北東部」の8地点でボーリング調査の掘削許可を申請したほか、立地の可能性が残る「北部レゲレン」についても、6地点で同様の申請書を提出。
これら22地点すべてに関する掘削許可申請書はすでにパブリック・コメントに付されており、このうち3地点に対する許可が今年8月にスイス連邦エネルギー庁(SFOE)から発行されている。
これらの動きから最終段階への移行が決まったもので、NAGRAは来年1月にもボーリング調査を順次開始していく予定。
各地点の地下環境や安全上の検討事項を全体的に把握した上で、どのエリアが処分場建設に最適であるかを3~4年以内に公表する。
その後は処分場建設の一般許可を申請する準備を行い、2024年までに申請書を提出する考えを明らかにした。
一般許可の申請書は担当する連邦政府機関が審査した上で、パブコメを実施し、連邦参事会による決定の後は議会にかけられることになる。
NAGRAは許可の発給で最終判断が下るのは2030年頃になると予想しているほか、国民投票が行われる可能性もあるとしている。
スイスでは高レベル放射性廃棄物(HLW)と低中レベル廃棄物(L/ILW)すべてを深地層処分する方針で、NAGRAは2008年に3段階で構成されるサイト選定プログラムを策定した。
HLWとL/ILWそれぞれで処分場を建設するか、あるいは両方の搬入が可能な複合型の貯蔵施設を建設するかについては、2022年にも発表する計画である。
2011年11月までの第1段階で、NAGRAは6つの候補エリアを連邦政府に提案した。
現在の第2段階では候補エリアをHLW用とL/ILW用それぞれで絞り込むため、スイス連邦原子力安全検査局(ENSI)の安全要件に沿って、各エリアの安全性を純粋に科学技術的な基準で詳細に比較している。
地元州の専門家グループは、廃棄物を定置するホスト岩盤には堆積岩のオパリナス粘土層が好ましいとする点でNAGRAと合意。
このため、NAGRAは6エリアのうちジュラ東部とチューリッヒ北東部の2エリアを第3段階のボーリング調査実施エリアとして特定した。
また、2つの専門家グループの提案を受けて、立地の潜在的可能性が残る北部レゲレンでも同じ調査を行いたいと申請していた。
第3段階の準備として、NAGRAはすでにこれらのエリアで3次元地震探査を実施。
その結果から地下岩盤の地層が明確になるとしており、超音波映像とも比較する方針を明らかにした。
これに加えてNAGRAは、約250万年前から現在までという最も新しい第四紀地層のボーリング調査を今年3月から実施中。
深地層の調査では1~2kmの深さまでボーリング孔を掘るのに対し、第四紀地層の調査では数10m~数100mほど掘削して氷河が過去にどのように形作られたかや、将来的にどう変化するかについて理解を深める。
これにより、氷河の侵食から廃棄物を守るためには、処分場をどの程度の深さに建設しなければならないか、などが決定付けられるとしている。
(参照資料:NAGRA、SFOEの発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの11月23日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
NAGRAは2016年と2017年、候補エリアとして選定した「ジュラ東部」の8地点と、「チューリッヒ北東部」の8地点でボーリング調査の掘削許可を申請したほか、立地の可能性が残る「北部レゲレン」についても、6地点で同様の申請書を提出。
これら22地点すべてに関する掘削許可申請書はすでにパブリック・コメントに付されており、このうち3地点に対する許可が今年8月にスイス連邦エネルギー庁(SFOE)から発行されている。
これらの動きから最終段階への移行が決まったもので、NAGRAは来年1月にもボーリング調査を順次開始していく予定。
各地点の地下環境や安全上の検討事項を全体的に把握した上で、どのエリアが処分場建設に最適であるかを3~4年以内に公表する。
その後は処分場建設の一般許可を申請する準備を行い、2024年までに申請書を提出する考えを明らかにした。
一般許可の申請書は担当する連邦政府機関が審査した上で、パブコメを実施し、連邦参事会による決定の後は議会にかけられることになる。
NAGRAは許可の発給で最終判断が下るのは2030年頃になると予想しているほか、国民投票が行われる可能性もあるとしている。
スイスでは高レベル放射性廃棄物(HLW)と低中レベル廃棄物(L/ILW)すべてを深地層処分する方針で、NAGRAは2008年に3段階で構成されるサイト選定プログラムを策定した。
HLWとL/ILWそれぞれで処分場を建設するか、あるいは両方の搬入が可能な複合型の貯蔵施設を建設するかについては、2022年にも発表する計画である。
2011年11月までの第1段階で、NAGRAは6つの候補エリアを連邦政府に提案した。
現在の第2段階では候補エリアをHLW用とL/ILW用それぞれで絞り込むため、スイス連邦原子力安全検査局(ENSI)の安全要件に沿って、各エリアの安全性を純粋に科学技術的な基準で詳細に比較している。
地元州の専門家グループは、廃棄物を定置するホスト岩盤には堆積岩のオパリナス粘土層が好ましいとする点でNAGRAと合意。
このため、NAGRAは6エリアのうちジュラ東部とチューリッヒ北東部の2エリアを第3段階のボーリング調査実施エリアとして特定した。
また、2つの専門家グループの提案を受けて、立地の潜在的可能性が残る北部レゲレンでも同じ調査を行いたいと申請していた。
第3段階の準備として、NAGRAはすでにこれらのエリアで3次元地震探査を実施。
その結果から地下岩盤の地層が明確になるとしており、超音波映像とも比較する方針を明らかにした。
これに加えてNAGRAは、約250万年前から現在までという最も新しい第四紀地層のボーリング調査を今年3月から実施中。
深地層の調査では1~2kmの深さまでボーリング孔を掘るのに対し、第四紀地層の調査では数10m~数100mほど掘削して氷河が過去にどのように形作られたかや、将来的にどう変化するかについて理解を深める。
これにより、氷河の侵食から廃棄物を守るためには、処分場をどの程度の深さに建設しなければならないか、などが決定付けられるとしている。
(参照資料:NAGRA、SFOEの発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの11月23日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会】
<参考>[フィンランド]最終処分場計画、実規模の処分試験実施へ(2018年7月18日)
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