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[米国] SMR初号機による電力の一部利用で覚書締結

2019年1月18日

米エネルギー省(DOE)の原子力局(NE)は12月21日、米国初の小型モジュール炉(SMR)として傘下のアイダホ国立研究所(INL)内で建設が計画されているSMRについて、発電電力の一部をDOEが利用するための了解覚書を、初号機の所有者となるユタ州公営共同電力事業体(UAMPS)、およびINLの運営を担当しているバッテル・エネルギー・アライアンス(BEA)と締結したと発表した。
同覚書でDOEは、連結可能なモジュール12基のうち2基からの電力を使って、SMRの商業化に向けた研究活動を進めるとともに、INL内の消費電力を確保する方針。
NEの担当幹部は同覚書を通じて、国家の安全保障を担う研究所に対し、様々なトラブルからの回復機能が高い電力供給を受けるというDOEの必要性を満たせるだけでなく、国内最先端の技術による新型原子炉から電力が得られるとしている。
このSMRはニュースケール社製の「ニュースケール・パワー・モジュール」で、電気出力6万kWのPWR型モジュールを12基連結することにより、出力を最大72万kWまで拡大することが可能だとした。
また、固有の安全性により、異常な状況下で原子炉を自動停止し、人的介入や追加の注水、外部電力の供給なしで無期限に冷却することができるとしている。
ニュースケール社は2016年の末日、同SMRの設計認証(DC)審査をSMRとしては初めて、米原子力規制委員会(NRC)に申請。
2段階で構成される同審査の第1段階が、今年4月末に完了している。
一方、ユタ州を本拠地とするUAMPSは、西部6州の地方自治体や協同組合、公益電気事業者など46機関で構成される共同活動組織。
2015年からは独自の「低炭素電力プロジェクト(CFPP)」を展開中で、UAMPSとDOEは2016年2月、INL敷地内におけるニュースケール社製SMRの建設支援で合意していた。
今回の覚書でDOEは、確保したモジュール2基のうち1基を「モジュール式発電所の共同使用(JUMP)」プログラムにおける研究開発・実証(RD&D)活動に充てる考え。
JUMPの下でINLは、米国内の主要な原子力研究所として原子力関係の研究を進める方針で、電力および電力以外のエネルギーの両方について、生産を支援する統合エネルギー・システム開発に力を入れるとした。
もう片方は、INLへの電力供給を目的とした電力購入契約(PPA)用。
2025年から2030年までの期間、INLが必要とする最大7万kWまでの電力が同モジュールから供給されるとしている。
(参照資料:DOE、ニュースケール社、UAMPSの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)

 

ニュースケール社製SMRの断面図©ニュースケール社

 

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