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[UAE] 原燃サイクル関係の協力模索でロシアとの覚書を更新
2019年10月23日
アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電導入計画を担当する首長国原子力会社(ENEC)は9月12日、ロシアのウラン製品・サービス販売企業TENEX社と2017年に交わした了解覚書を更新したと発表した。
同覚書は放射性廃棄物の処分・管理など、原子燃料サイクル分野における両者間の将来的な協力の枠組を定めたもの。
ENECのM.アル・ハマディCEOは、「(ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社の1部門である)TENEX社は、原子燃料サイクルの管理で60年以上の経験と良好な実績を積み重ねているので、今後数年先までを見据えた協力の機会を模索していきたい」と述べた。
同覚書の更新はまた、確固たる原子力プログラムを推進している国の企業と協力することや、経験豊富な原子力産業界を有する国との協力を明記したENECの戦略に基づくとしている。
UAEでは現在、韓国から導入した第3世代の140万kW級PWR「APR1400」を4基、アブダビ首長国西部のバラカで建設中。
2018年3月に1号機の竣工式が執り行われたが、運転員の訓練と連邦原子力規制庁(FANR)からの承認取得に時間を要するため、燃料の装荷は今年末から2020年初頭の間に延期されている。
UAEは2008年3月に公表した原子力開発計画どおり、領土内でのウラン濃縮と使用済燃料の再処理を放棄しており、国際原子力機関(IAEA)包括的保障措置協定の追加議定書遵守を大前提とする方針。
このためUAE政府は、放射性廃棄物と使用済燃料の長期的な管理・貯蔵政策策定に向けて、複数のオプションを検討中である。
この関連で、ENECの副総裁を代表とする一行は今年4月、TENEX社の招きにより同覚書の枠内で、ロシア中部クラスノヤルスク地方のゼレズノゴルスクにある鉱業化学コンビナート(MCC)を訪問した。
TENEX社およびロスアトム社の幹部と廃棄物の最新管理技術や方式について協議したほか、使用済燃料集合体の湿式貯蔵施設や、放射化学再処理のパイロット実証センターなども視察している。
(参照資料:ENECの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの9月12日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会】
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