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[中国] 「華龍一号」を採用した福建省の漳州発電所計画に建設許可が発給

2019年11月20日

中国の環境保護部は10月9日、中核国電漳州能源公司が「華龍一号」設計を採用して進めている福建省の漳州原子力発電所1、2号機(各PWR、115万kW)建設計画について、国家核安全局(NNSA)が正式に建設許可を発給したと発表した。
同サイトでは当初、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000が6基建設されることになっていた。
しかし、中国が知的財産権を保有する輸出用設計として、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核集団有限公司(CGN)両者の第3世代設計を統合した「華龍一号」をNNSAが2014年に承認した後、中核国電漳州能源公司に51%出資するCNNCが国家能源局に採用設計の変更を申請。
I期工事の1、2号機に加えて、Ⅱ期工事の3、4号機、およびⅢ期工事の5、6号機まですべて、「華龍一号」で建設することになった。
建設サイトに関しては、NNSAが関連の条例等に基づいて立地申請書を審査しており、2016年10月に環境保護部は環境影響評価(EIA)の結果を提示、立地点として承認すると発表した。
この段階ではまだ、AP1000が採用設計になると明記されていたが、中国政府は2017年2月、「華龍一号」を4年計画で標準化するという国家重大プロジェクトの実証実施方案を公表。
今年7月には国家能源局が、漳州1、2号機に「華龍一号」を採用した建設計画を、原子力発電所建設プロジェクトとして承認していた。
環境保護部の発表によると、漳州1、2号機建設計画は中国の国家的な原子力安全に関する法令、および民生用原子力施設の安全管理に関わる規制などを遵守。
発電所の設計原則や安全確保関係の活動についても、中国における原子力安全規制の基本要件を満たしているとした。
これらに基づき、1、2号機の建設許可発給を決定したと表明。
現地では現在、原子炉安全系統部分で最初のコンクリート打設を行うための準備が進展中だが、必要な調整作業が完了すれば、1号機でコンクリート打設を実施することは可能だとした。
また、2号機についても、地盤の準備作業に関する点検と承認を条件に、コンクリートを打設できるとしている。
「華龍一号」設計は現在、CNNCが福建省で建設中の福清原子力発電所5、6号機(各PWR、115万kW)、およびCGNが広西省で建設している防城港原子力発電所3、4号機(各PWR、118万kW)に採用されている。
どちらも同設計の実証炉プロジェクトという位置づけで、今年から来年頃の完成を目指している。
同設計はまた、パキスタンで2015年8月と2016年5月にそれぞれ着工したカラチ2、3号機(各PWR、110万kW)にも採用されており、海外における重要な実証炉プロジェクトとなっている。
2号機についてCNNCは今月、主要機器が正常に設置されたことを公表している。
(参照資料:環境保護部(中国語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月15日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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