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[世界] OECD/NEAの事務局長、加盟国にNEAのパンデミック対応を説明
2020年4月24日
経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)のW.マグウッド事務局長は4月8日に声明文を発表し、新型コロナウイルスによる感染が拡大するなかで、NEAとしては加盟する33か国がこのような状況に対応できるよう支援する覚悟であり、有効な措置に関する情報や良好事例、アイデア等の迅速な交換を可能にする手段を構築中であると説明した。
仏国パリにあるNEAの事務局では3月12日から全スタッフがテレワークに入ったが、同事務局長は「パンデミックの脅威が速やかに終息することを望む一方、多くの専門家は5月から6月にかけても、あるいは9月から10月にかけて第二波の感染発生のリスクがあると予想している」と指摘。
NEAでは緊急の事態に対応するだけでなく、このように長期的な対応の準備も進めていると強調している。
マグウッド事務局長によると、グローバリゼーションや相互連携の時代に人類が直面している今回の危機は、これまでに経験したことのないものであり、すべての経済大国が影響を受け人々は脅威にさらされている。
大方の予測では、この危機はあと数か月間続くと見られているが、短期的に見て如何なる国においてもパンデミック対応戦略で重要な柱となるのは信頼性の高い電力供給である。
これなくしては、近代生活における重要インフラの大部分が機能できないが、パンデミックによって発電施設の職員が長期にわたって直接的、間接的な影響を受け、その施設の操業が脅かされることになる。
同事務局長の認識では、近代社会におけるその他すべての分野と同様、原子力発電部門は感染者数の削減に貢献している。
すなわち、世界中の原子力発電所が安全かつ効率的に稼働することで、テレワーク中の膨大な数の人々や自宅待機中の人々、対応キャパシティを超えて活動中の医療施設に対しても信頼性の高い電力が供給される。
しかし、原子力発電部門自体もパンデミックの影響を受けるため、絶え間なく変化する前例のない不確かな状況にも臨機応変に対処しなければならないとした。
原子力発電部門では、慎重に分析した結果や膨大な数の見解を考慮した上でプロセスや手順を変更するのが常であるが、同事務局長によれば、今現在直面している危機はすべてにおいて迅速な対応を必要としている。
規制当局は発電所の点検計画の妥当性を審査しなければならないし、事業者は発電所の定期検査や改修日程を延期せざるを得ない。
通常とは異なる作業環境で使われる技術は全く新しい方法で適用する必要があり、原子力発電所における安全性の確保は、今後もすべてに優先する事項であると述べた。
同事務局長はまた、今回のパンデミックはNEA自身の安全文化をも評価する試金石になったと指摘。
NEAは原子力施設の運転に関する出版物の中で運転員や住民の安全と健康を第一とする文化を強調しているが、今回はこれと同様の安全文化がNEA自身にも適用されている。
NEA全体は3月12日からテレワーク体制に入っているが、職務に混乱が生じることはほとんどなく、重要な業務のいくつかは延期となったものの、複数の委員会の活動業務は続けられている。
パンデミック関連のイベントも近々ウェブ上で主催する予定だが、これらは皆NEAスタッフが加盟国と緊密な連携の上、主導している献身的業務の賜物であり、現時点でどれほどの問題に直面しようと、明るい未来が必ず来るというNEAの原子力部門のメンバーすべての確信に基づくものだと説明している。
(参照資料:OECD/NEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの4月9日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会】
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