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[米国] 米TVA、クリンチリバー・サイトにおけるSMR建設の評価についてテネシー大学と覚書
2020年5月1日
米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)は4月7日、小型モジュール炉(SMR)など費用対効果の高い新世代の先進的原子炉設計をテネシー州クリンチリバー・サイトで建設することについて実証・評価を行うため、テネシー大学(UT)と了解覚書を締結したと発表した。
TVAは昨年12月、クリンチリバー・サイトについて原子力規制委員会(NRC)から「事前サイト許可(ESP)」を取得したが、審査を受ける際に採用する予定の炉型を特定しておらず、「2基以上のSMRで合計の電気出力が80万kWを超えないもの」を想定。
ニュースケール・パワー社やホルテック・インターナショナル社、ウエスチングハウス社などが開発している4種類の軽水炉型SMR設計のパラメーターを技術情報として示していた。
ESPは20年間有効だが、実際に原子炉を建設すると決定した場合、TVAは別途NRCに対して建設・運転一括認可(COL)を申請する必要がある。
今回の連携協力でTVAは、UT原子力工学部の専門的知見を活用して、原子炉設計の経済的な実現可能性を軽水炉型にこだわらず評価する方針。
この協力を通じて同社はまた、将来の原子力産業を担う同部の学生達と交流する機会も得られるとした。
TVAのJ.ライアシュ総裁兼CEOは、「原子力発電における技術革新という当社のミッション遂行において、UTはそれを支える特殊な能力を提供してくれる」とコメント。
UTの先進的なモデリングやシミュレーションのツールを活用して、新たな原子力技術を模索したいと述べた。
UTのW.ハインズ工学部長も、「我が学部の原子力部門は1957年に創設された米国で最も古く権威あるものであり、高度に効率的な先進的原子炉の建設に向けたTVAとの戦略的連携により、クリーンで信頼性の高い将来エネルギーの活用に道を拓きたい」としている。
TVAはすでに今年2月、米エネルギー省(DOE)傘下のオークリッジ国立研究所と同様の協力覚書を締結。
経済性や安全性、柔軟性の高い次世代技術を採用した先進的原子炉設計を検討するとしており、今回の覚書と併せて、TVAが最新の原子炉設計の建設見通しで初期段階の評価を下す重要なステップになると述べた。
(参照資料:TVAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの4月9日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:一般社団法人日本原子力産業協会】
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