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[ドイツ] 石炭政策により最新鋭石炭火力が被る損失額が公表される

2020年5月25日

2020年5月5日付の専門誌の報道によると、自治体営企業の協力団体であるTrianelは、ドイツの脱石炭政策により最新鋭の石炭火力発電所が被る損失額を公表した。
  Trianelより委託を受けたコンサルタント会社Frontier Economicsは、同社のLünen石炭火力発電所(超々臨界圧)を対象に試算を行った。
同発電所は2013年に運開し、当初40年運転を予定していたが、連邦政府が定めた石炭火力設備容量の低減目標により2030年頃の廃止を余儀なくされる見通しである。
同発電所の建設投資額は約14億ユーロ(約1,680億円)であり、早期廃止により投資を回収できない場合の損失は5億7,100万ユーロ(約685億2,000万円)にのぼるとされる。
なお連邦政府は2020~2026年に、廃止する石炭火力発電所を選定するための入札を実施し、落札された場合は補償を受けられるが、運転年数が短く機会費用が高額な発電所が落札されるのは現実的ではないとFrontier Economicsは分析している。
また同社は、環境性の高い最新鋭石炭火力を早期に廃止することは、温室効果ガス削減の観点からも推奨されないとしている。
Trianelは試算結果を受けて、2027年以降も石炭火力の廃止に対する補償を認めるよう連邦政府に訴えている。
連邦政府は2020年1月に、2038年末の石炭・褐炭火力全廃を規定する「脱石炭法(案)」を閣議決定し、法案は現在連邦議会で審議されている。

 

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

 

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