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[英国] Centrica、ローカルフレキシビリティマーケットの実証試験を完了

2020年12月4日

エネルギー大手Centricaは2020年11月9日、英国南西部Cornwall地域で進めているローカルフレキシビリティマーケット(局所的な系統混雑の解消を目的に形成される、分散型エネルギーリソースの調整力の取引が行われる市場)の構築に向けた英国最大規模の実証プロジェクト「Cornwall Local Energy Market」を完了したと発表した。
同プロジェクトは2017年に始動し、Centricaが同国の配電事業者Western Power Distribution(WPD)や送電事業者National Grid ESO(NGESO)等とともにCornwall地域の一般家庭および企業のエネルギーリソースが有する調整力を調達するための仕組みを検討し、実証したもの。
このプロジェクトでは、一般家庭の参加者にフレキシビリティリソースとして太陽光発電設備、蓄電設備、エネルギー管理システム等が設置された。
また、それらの設備はCentricaのVPPリソースとしても活用された。
企業の参加者に対してもコジェネ設備、蓄電設備、エネルギー管理システム等が設置され、一部の参加企業は35%ものエネルギーコスト削減に成功した。
最終的に同プロジェクトには200以上の一般家庭や企業が参加し、合計31万kWhの取引が行われ、年間約1万tのCO2排出削減につながったとしている。
また、同プロジェクトではWPDとNGESOが同時に参加者からの調整力を調達したが、Centricaによれば同一のプラットフォーム上で配電事業者と送電事業者が調整力を同時に調達したのは世界初とのことである。
Centricaはこのプロジェクトが成功裏に終わったと評価し、英国が目指す2050年ネット・ゼロ目標に向けて今後再エネの更なる導入が不可欠であり、ローカルフレキシビリティマーケットは重要な役割を果たすとして、同社は政府に対して2023年までに同市場を英国の電力市場で標準的に導入できるような制度づくりを進めるよう求めている。

 

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

 

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