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[EU] 2030年の排出削減目標を55%に引き上げることで加盟国が合意

2021年1月7日

エネルギー情報誌は2020年12月11日、EU加盟国による首脳会議で2030年の温室効果ガス(GHG)排出削減目標を引き上げることに合意したと報じた。
EUのGHG排出削減目標は1990年比で「少なくとも40%削減」としていたが、パリ協定で目標とする産業革命前からの気温上昇2℃以内にするため、国連はGHG削減目標の引き上げを要請しており、欧州委員会は「少なくとも55%削減」に引き上げることを提案していた。
12月10日の首脳会議では、目標引き上げに積極的な西側各国と、コスト負担を懸念して慎重な中東欧諸国の間で意見の隔たりがあったが、徹夜の議論を経て11日の早朝に合意に達した。
合意で確認されたのは、排出削減目標はEU全体の目標であること(個別加盟国の目標としないこと)、具体的なエネルギー技術の選択は加盟国に委ねること(ガス、原子力の新規建設を認めること)、排出量取引制度の強化と排出枠収益の分配方法の見直し(中東欧諸国への配分拡大)、国境調整のしくみの検討などである。
今回の合意を受け、欧州委員会は国連に対して新たな2030年目標(NDC)を提出し、気候法案(Climate Law)を修正することになる。
産業界からは国際競争力を維持するための新たな産業政策が必要となるとの意見が出ている。

 

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

 

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