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[世界] 国連欧州経済委、持続可能な開発に向けた原子燃料の有効利用で報告書
2021年3月25日
国際連合(UN)経済社会理事会における地域経済委員会の一つ「国連欧州経済委員会(UNECE)」は3月11日、世界中の鉱物資源等の資源量と埋蔵量を正しく評価・分類するための国連枠組み規定(UNFC)を原子燃料資源に適用し、「持続可能な開発に向けた原子燃料資源の活用――原子力の導入に向けた経路(Use of Nuclear Resources for Sustainable Development―—Entry Pathways)」を報告書として公表した。
それによると、世界のエネルギー部門は現在、大気を汚染しないエネルギー源に移行する大規模な転換期を迎えているが、これは社会経済的な開発を下支えするクリーンエネルギーの利用拡大が新興経済国を中心に必要となったため。
これと同時に、地球温暖化や大気汚染といった環境上の危機が世界的に広がるのを抑えるためでもある。
この移行を成し遂げる経路は複数存在しており、各国は保有する天然資源などそれぞれの状況を考慮して各自で決めた経路を辿ることになるが、2015年の国連サミットで採択された(持続可能な開発目標を中核とする)「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、このように難しい判断を下す際に不可欠のツールとなった。
UNECEの今回の報告書は、エネルギーミックスの構成要素としての原子力の可能性を探るとともに、ウラン資源の活用がどのようにして持続可能な開発の基盤となるかを明示。
これらの観点から、いくつかの国では原子力の推進を決めた一方、ほかの国では様々な理由から原子力の利用判断を下していない。
報告書はエネルギー源の移行で原子力が果たす役割を一層理解する上で必要なものを示し、各国の政策決定者が判断を下す際の要請に応えたいとしている。
世界ではすでに、原子力をそれぞれのエネルギーミックスに加えるべく、検討や計画の立案を進めている国が多数あり、報告書はこれらの国で適用できる重要オプションや課題となるもののいくつかを明確化した。
また、これらの国で埋蔵されているウラン資源の活用など、原子力発電の推進と経済開発に資する各国・地域毎のファクターに焦点を当て、UNFCや国連資源管理システム(UNRMS)を適用することによって原子力の導入に向けた経路を探り出している。
今回の報告書が重要見識として見出した事項には、以下のものが含まれる。
・原子力は持続可能な開発という世界的検討課題を達成するために不可欠なツールであり、エネルギー部門の脱炭素化や貧困の根絶、飢餓のゼロ化達成、清潔な水の供給、価格の手頃なエネルギーの確保、経済成長、産業界の技術革新などの点で重要な役割を担っている。
・原子力の導入を検討している国で適用が可能な導入経路は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とも一致しており、国際原子力機関(IAEA)の「 マイルストーンアプローチ」に基づく原子力発電開発プログラムは、導入国がエネルギー需要や社会経済面、環境面の目標を達成し、地球温暖化の防止で国際的な誓約を順守する一助になる。
・原子燃料サイクルと放射性廃棄物管理戦略の実行に際して持続可能なオプションは数多くあり、各国は経済開発やエネルギー供給保証の促進など、それぞれの必要性に合った戦略を採るべきである。
・現在、利用できる原子炉設計は実証済みの成熟した技術に基づいており、80年間の運転継続が可能なものや高い安全性が確保されるもの、優れた運転性能を持つものがある。これらは、信頼性が高く価格も手ごろな低炭素電力を生み出すことから、各国が持続可能な開発目標を達成する一助になる。
・現在、小型モジュール炉(SMR)や先進的原子炉設計の開発が幅広く行われており、この中には近い将来建設可能になるもの、柔軟性の一層高い運転や熱電供給の脱炭素化に適したものもあり、持続可能な開発を一層加速することになる。
・原子力と再生可能エネルギーには技術面で互いに補い合う方法が数多くあり、それによってクリーンで信頼性の高いエネルギーを適正価格で供給するという共通目標の達成が可能である。
(参照資料:UNECEの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの3月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
それによると、世界のエネルギー部門は現在、大気を汚染しないエネルギー源に移行する大規模な転換期を迎えているが、これは社会経済的な開発を下支えするクリーンエネルギーの利用拡大が新興経済国を中心に必要となったため。
これと同時に、地球温暖化や大気汚染といった環境上の危機が世界的に広がるのを抑えるためでもある。
この移行を成し遂げる経路は複数存在しており、各国は保有する天然資源などそれぞれの状況を考慮して各自で決めた経路を辿ることになるが、2015年の国連サミットで採択された(持続可能な開発目標を中核とする)「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、このように難しい判断を下す際に不可欠のツールとなった。
UNECEの今回の報告書は、エネルギーミックスの構成要素としての原子力の可能性を探るとともに、ウラン資源の活用がどのようにして持続可能な開発の基盤となるかを明示。
これらの観点から、いくつかの国では原子力の推進を決めた一方、ほかの国では様々な理由から原子力の利用判断を下していない。
報告書はエネルギー源の移行で原子力が果たす役割を一層理解する上で必要なものを示し、各国の政策決定者が判断を下す際の要請に応えたいとしている。
世界ではすでに、原子力をそれぞれのエネルギーミックスに加えるべく、検討や計画の立案を進めている国が多数あり、報告書はこれらの国で適用できる重要オプションや課題となるもののいくつかを明確化した。
また、これらの国で埋蔵されているウラン資源の活用など、原子力発電の推進と経済開発に資する各国・地域毎のファクターに焦点を当て、UNFCや国連資源管理システム(UNRMS)を適用することによって原子力の導入に向けた経路を探り出している。
今回の報告書が重要見識として見出した事項には、以下のものが含まれる。
・原子力は持続可能な開発という世界的検討課題を達成するために不可欠なツールであり、エネルギー部門の脱炭素化や貧困の根絶、飢餓のゼロ化達成、清潔な水の供給、価格の手頃なエネルギーの確保、経済成長、産業界の技術革新などの点で重要な役割を担っている。
・原子力の導入を検討している国で適用が可能な導入経路は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とも一致しており、国際原子力機関(IAEA)の「 マイルストーンアプローチ」に基づく原子力発電開発プログラムは、導入国がエネルギー需要や社会経済面、環境面の目標を達成し、地球温暖化の防止で国際的な誓約を順守する一助になる。
・原子燃料サイクルと放射性廃棄物管理戦略の実行に際して持続可能なオプションは数多くあり、各国は経済開発やエネルギー供給保証の促進など、それぞれの必要性に合った戦略を採るべきである。
・現在、利用できる原子炉設計は実証済みの成熟した技術に基づいており、80年間の運転継続が可能なものや高い安全性が確保されるもの、優れた運転性能を持つものがある。これらは、信頼性が高く価格も手ごろな低炭素電力を生み出すことから、各国が持続可能な開発目標を達成する一助になる。
・現在、小型モジュール炉(SMR)や先進的原子炉設計の開発が幅広く行われており、この中には近い将来建設可能になるもの、柔軟性の一層高い運転や熱電供給の脱炭素化に適したものもあり、持続可能な開発を一層加速することになる。
・原子力と再生可能エネルギーには技術面で互いに補い合う方法が数多くあり、それによってクリーンで信頼性の高いエネルギーを適正価格で供給するという共通目標の達成が可能である。
(参照資料:UNECEの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの3月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:原子力産業新聞】
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