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[アラブ首長国連邦] アラブ初の商業炉、バラカ1号機が営業運転開始

2021年4月20日

アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電の導入計画を担当する首長国原子力会社(ENEC)は4月6日、同連邦として、またアラブ諸国としても初の商業炉となるバラカ原子力発電所1号機(140万kWの韓国製PWR「APR1400」)が営業運転を開始したと発表した。
同炉は試運転中の昨年12月に定格出力に達しており、今や1日24時間体制でコンスタントに安定した電力を発電中。
これにより、UAEは世界で32番目の原子力発電利用国/地域となった。
今年はUAEの建国50周年であり、ENECは同炉が発電する新時代のクリーン電力は今後数10年にわたってUAEの継続的な発展と成長の原動力になると述べた。
同発電所はまた、世界で最も差し迫った課題である地球温暖化の主要原因に、UAEが直接取り組むことを可能にする。
確認済みの技術を採用した同発電所でUAEは連邦内のCO2排出量を大幅に削減し、一層クリーンなエネルギー源に移行していく考えである。
同炉は2012年7月にUAE北部のアブダビ首長国で本格着工しており、2018年3月には竣工式が行われた。
しかし、運転員の訓練と規制当局からの承認取得に時間を要することから、運転管理会社のNAWAHエナジー社は燃料の装荷スケジュールを延期すると発表。
起動に向けた準備を進めながら、国際原子力機関(IAEA)など複数の機関による安全評価や世界原子力発電事業者協会(WANO)の起動前審査を受けていた。
連邦原子力規制庁(FANR)は2020年2月に同炉で起動準備が整ったことを確認、60年有効な運転許可を発給した。
これを受けてNAWAH社も翌3月に燃料の初装荷作業を完了しており、同炉は同年7月末に初めて臨界に達した。
8月からは送電を開始しており、これまでにIAEAやWANOによる42件以上の評価結果やピアレビューに基づいて試験を実施したほか、FANRも独自に312件の広範な点検を行ったとしている。
バラカ発電所が発電する電力については、2016年に首長国水電力公社(EWEC)が今後60年にわたり全量購入する契約(PPA)をバラカ・ワン社と締結。
バラカ・ワン社はENECの子会社で、この建設プロジェクトの財務・商業活動を担当している。
同発電所では残り3基の建設も順調に進んでおり、FANRは今年3月に2号機に運転許可を発給。
同炉では燃料の装荷も完了したことから、今年後半の起動に向けて様々なプロセスが進められている。
3、4号機の建設工事も、1、2号機の建設で得られた経験や教訓を元にすでに最終段階入り。
建設進捗率はそれぞれ94%と89%となっており、発電所全体では95%に到達している。

【情報提供:原子力産業新聞

 

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