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[米国] 米議会上院のエネ天然資源委員長、原子力への支援を要請

2021年5月7日

米国議会上院のエネルギー天然資源委員会は4月20日、民主党のJ.マンチン委員長が国内の原子力発電所の利用継続策と早期閉鎖の防止策を要請する書簡をJ.バイデン大統領に提出したと発表した。
米国では近年、国民の間で原子力への賛否の割合が拮抗しているが(2019年ギャラップ調査)、政党別でみると共和党員の65%が原子力支持派であるのに対し、民主党員の57%は反対派である。
マンチン委員長は民主党員でありながら保守色が強いと言われており、3月25日に原子力発電で米国が世界のリーダー的立場を維持する重要性についてのヒアリング開催時にも、「原子力は信頼性の高い廉価な電力を供給するとともに、世界のCO2排出量を削減するなど地球温暖化の防止に貢献する」と発言。
国内で新規原子力発電所の建設や既存原子力発電所の維持で対策が取られなければ、米国が持続可能なエネルギーシステムを構築することは一層難しくなり、経費も高額になると主張していた。
大統領宛ての書簡で同委員長は、「CO2を排出しないベースロード電源として既存の原子力発電所の早期閉鎖を防ぎ、これらの利用を継続することは、CO2排出目標の達成と信頼性の高い送電システムを確保する上で非常に重要だ」と指摘。
104基あった米国の商業炉はこの20年間で94基まで減っており、今年はさらに510万kW分が閉鎖される見通しだと述べた。
同委員長によれば、近年に実施された調査も、エネルギー政策が改善されなければ2030年までに既存商業炉の約半数が閉鎖されると警告している。
2019年に米国の原子力発電所は4億7,600万トンのCO2排出を抑制しており、米国全体で供給される無炭素電力の約55%が原子力によるもの。
原子力発電所がさらに閉鎖されれば、米国がCO2の排出目標の達成に支障をきたすことになると強調した。
また、同委員長は書簡の中で、バイデン大統領が原子力発電所の運転継続を支持し地球温暖化の防止で原子力の果たす役割を認めていることに謝意を表明。
その上で、既存の原子力発電所で運転継続していくための支援と、これ以上早期閉鎖されるのを防ぐ対策を講じるよう大統領に要請した。
国民の安全と健康に最大限留意しつつ、このように極めて重要な電源を守るために、連邦政府はあらゆる手段を取らねばならないと訴えている。

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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