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[米国] 米国務省がSMRの活用支援プログラムを始動

2021年5月19日

米国の国務省(DOS)は4月27日、地球温暖化を防止するバイデン=ハリス政権の取り組みの一環として、国際支援プログラム「小型モジュール炉(SMR)技術の責任ある活用に向けた基本インフラ(FIRST)」を始動すると発表した。
国内で60年以上にわたり蓄積してきた原子力関係の革新的技術と専門的知見に基づき、米国はパートナー国がクリーンエネルギーの利用を拡大する際、同プログラムを通じて国際的に最も厳しい安全・セキュリティ基準や核不拡散基準の下で原子力プログラムが策定されるよう、能力の向上を支援。
そのための初期予算として、DOSは同プログラムで実施するプロジェクトの支援に530万ドルを投入する方針である。
J.バイデン大統領は4月22日と23日の2日間、40か国・地域の首脳らを招いて気候変動サミットをオンライン開催したが、その中でFIRSTプログラムを初めて紹介。
これはクリーンエネルギー増産のための技術革新と、前例のない世界規模の国際協力体制構築に向けた米国の主要な努力活動になると説明していた。
今回の発表によると、FIRSTはパートナー国における確実にして安全な原子力基盤の整備を目的に、技術協力も含めた戦略的連携を深めるとともに、エネルギー関係の技術革新を推進する。
DOSは具体的に、国際原子力機関(IAEA)の「マイルストーン・アプローチ」に沿って、SMRなど先進的原子力技術の導入をパートナー国で支援する計画。
同アプローチではIAEA加盟国で健全な原子力発電プログラムが開発されるよう、フェーズ毎にIAEAがレビュー・ミッションを実施、推奨事項の提示やフォローアップも行っている。
SMRに関してDOSは、低価格で設置容量の選択性があり、負荷変動への対応や他のクリーンエネルギーの補完など、柔軟性の高い運転が可能な発電設備だと認識。
信頼性の高い発電能力に加えて、海水の脱塩やエネルギーを大量消費する産業プロセスで石炭火力に代わる能力を持っているとした。
SMRはまた、輸送その他の部門で脱炭素化を促進する水素の製造も可能なことから、DOSはFIRSTを通じてパートナー国の政府や産業界、国立研究所、学術機関との連携を強化。
地球温暖化の防止に向けた取り組みと技術革新の促進のほか、環境保全、地域社会の経済成長に向けて、米国は新しい様々な方策を安全確実なやり方で主導していく考えである。

 

【情報提供:原子力産業新聞】 

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