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[UAE] UAEでバラカ2号機が起動
2021年9月8日
アラブ首長国連邦(UAE)で原子力発電の導入計画を担当する首長国原子力会社(ENEC)は8月27日、UAE初の原子力発電所であるバラカ発電所で、2号機(PWR、140万kW)が起動したと発表した。
同発電所では昨年7月、UAEのみならずアラブ諸国においても初の商業炉である同型の1号機が臨界状態に達し、今年4月に営業運転を開始している。
2号機の起動はこれに続くもので、ENECの運転管理子会社であるNAWAHエナジー社は、同機を今後数週間以内に国内送電網に接続するため準備作業を進めている。
接続後は出力を徐々に上昇させる試験(PAT)を実施し、営業運転の開始につなげる計画。
ENECでは、最終的に4基すべての原子炉(合計出力560万kW)を安全かつタイムリーに完成させ、毎年2,100万トンのCO2排出を抑制、UAEでエネルギー部門の脱炭素化を迅速に進めたいとしている。
ENECによれば、2号機が起動したことでこの地域では初めて、同一サイトで複数基が稼働することとなった。
これらの原子炉はクリーンで信頼性の高い電力を豊富にUAEに提供し、さらなる経済成長を促すような巨大プロジェクトの実施能力をUAEが持つことを実証した。
この原子力発電利用プログラムでENECはあらゆる国内要件と国際基準を満たすとともに、バラカ発電所チームでは高い技能と資格の習得を目指すとしている。
バラカ発電所サイトでは、2012年7月から韓国製の140万kW級PWR「APR1400」を建設する工事が進められており、1号機を本格着工した後は約1年間隔で同型の2~4号機を順次着工した。
1号機では2018年3月に竣工式が行われたが、運転員の訓練と連邦原子力規制庁(FANR)から承認を取得するのに時間がかかるとして、NAWAHエナジー社は燃料装荷等の準備作業を一時延期。
FANRは2020年2月、1号機の運転許可を発給している。
2号機の運転許可申請は、1号機の申請書と併せてENECが2015年に申請しており、FANRは今年3月に2号機で60年間有効な運転許可を発給した。
ENECのM.I.アルハマディCEOは今回、「一日24時間、年中無休で豊富に電力を供給する原子力の平和利用でUAEは新たな節目を迎えた」と指摘。
「2号機が起動したことで、UAEは電力需要の4分の一を原子力で賄いつつ持続可能な経済成長を可能にし、同時に地球温暖化の防止にも役立てるという目標の達成に向け、道のりのほぼ半ばまで来た」と述べた。
同CEOはまた、原子力の導入を成功させるケース・スタディとして、バラカ発電所建設計画は原子力の導入を検討する後続の国々に有益なガイダンスと支援をもたらすと強調。
世界で最も持続的な発展を遂げている10か国のうち、7か国までが原子力を活用しているとした上で、「原子力はクリーンな電力を提供するだけでなく、国レベルのエネルギー供給保証と信頼性を促進する」と指摘している。
同機では、起動に先立ちFANRの監督の下で包括的な試験プログラムが実施されており、その後は世界原子力発電事業者協会(WANO)が起動前審査(PSUR)を行った。
これらを通じて、同機では世界の原子力産業界の良好事例に沿って運転が行われるとしている。
(参照資料:ENEC、NAWAHエナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月27日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:原子力産業新聞】
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