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[米国] 米原子力学会、ディアブロキャニオン発電所の閉鎖計画に再考促す声明

2021年12月3日

米国の原子力学会(ANS)は11月25日、S.ネズビット理事長とC.ピアシー事務局長兼CEOによる連名の声明を発表し、カリフォルニア(加)州のディアブロキャニオン原子力発電所1、2号機(各約117万kWのPWR)で、2024年11月と2025年8月にそれぞれ予定されている閉鎖計画を再考し、運転を継続させるよう同州の知事に促した。

1、2号機はそれぞれ1984年と1985年に送電を開始しており、所有者であるパシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)社は当初の運転期間40年に加えて、20年間の運転継続を計画していた。

しかし、電力供給地域における需要の伸び悩みと再生可能エネルギーによる発電コストの低下を理由に、PG&E社は運転認可更新申請の取り下げを決定。

各40年の運転期間満了にともない閉鎖とする計画を2016年8月に加州の公益事業委員会(CPUC)に提出しており、同委は2018年1月にこれを承認した。

ANSではこの閉鎖計画を「早期閉鎖」と形容しており、加州の経済と環境に甚大な被害をもたらすと警告。

ANSによれば、加州が閉鎖判断を下した後の状況は変化しており、クリーンエネルギーである原子力発電の必要性はさらに強まっている。

今回のANSの声明は、無炭素な電力を将来にわたり供給可能なディアブロキャニオン発電所が、信頼性の高い重要電源であり、過去に下した時代遅れの判断を今日の事情に合わせて今こそ再検討し、同発電所の運転継続に向けた準備を行うべきだと加州のG.ニューサム知事に訴えたもの。

ANSの両首脳によると、同発電所は原子力規制委員会(NRC)の厳しい監督下で40年近く安全に運転されており、季節や天候に左右されず年中無休で無炭素なクリーン電力を供給中。

加州ではすでに、同発電所を除く5基の商業炉が2013年までに全廃されたことから、州内で唯一存続し、同州の総発電量の約10%を賄うディアブロキャニオン発電所を閉鎖すれば、州内の送電網の安定性を損なうだけでなく輪番停電を強いる可能性がある。

同発電所はまた、加州最大の無炭素電源であるため、これを失った加州では多くの電力を州外の火力発電所に依存することになる。

その際、年間で数百万トンのCO2が新たに排出され、州政府や連邦政府の脱炭素化計画が損なわれるとANSは指摘している。

ANSはさらに、昨年8月に熱波が発生した同州では電力需給がひっ迫し、州内の独立系統運用者(CAISO)が440万kWの電力不足に対処するため、同州全土で輪番停電体制を敷いたという事実に言及。

これにより、約330万戸がエアコンのない暗闇の状況に取り残される事態となったが、この時もしも、出力調整可能なベースロード電源であるディアブロキャニオン発電所の無炭素電力がなかったら、状況はさらに悪化し対応コストも高くついたはずだとANSは強調した。

ANSの説明では、太陽光や風力、地熱、電力の電池貯蔵などは確かに、加州の脱炭素化計画の重要な一部となるものの、地球温暖化の防止目標を同州が達成するには、すべてのクリーンエネルギー源が必要である。

信頼性の高い送電網においては、ディアブロキャニオン発電所のように常時利用可能で強力な主力電源の確保が不可欠で、間欠性のある電源だけで同発電所をリプレースすることは難しい。

CAISOによると、加州では総電力需要の約25%を他州から購入した電力で賄っており、山火事や地震を原因とする停電や天然ガス・パイプラインの途絶から影響を受け易い。

同州のこのような脆弱性は、2025年以降も州民4,000万人の安全と繁栄を維持するために、同州がディアブロキャニオン発電所を維持する必要があることを明確に示しているとANSは改めて強調した。

(参照資料:ANSの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月26日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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