海外電力関連 トピックス情報
[フランス] 石炭火力発電所運用見直しに関する検討状況
2022年4月13日
2022年3月28日付の現地報道によれば、環境移行省は廃止予定のÉmile-Huchet石炭火力発電所(60万kW)について、来冬に運転する可能性があると発表した。
チェコのエネルギー事業者EPHのフランス子会社GazelEnergieが運営する同発電所はフランス政府の脱石炭廃止方針に従い、同年3月31日に廃止が予定されていた。
しかし、国内原子炉の応力腐食割れ問題やロシアのウクライナ侵攻の影響への懸念から、政府は今冬に導入した石炭火力発電所の運転上限の緩和(年間上限700時間から、1~2月には1,000時間その後の期間には600時間に変更するもの)を来冬も導入するとし、事業者に対しこの事態に備えるよう要請した模様である。
運転に際しては、「ロシアからの石炭供給を受けないこと」、「発電所の運転により排出される温室効果ガスをオフセットすること」が条件となる。
現地紙のインタビューに対しGazelEnergieは「エネルギーセキュリティのためであれば、当然、設備を稼働させる。そのためには政府の正式決定が必要である」と述べている。
一方、フランス国内に残るもう一つのCordemais石炭火力発電所(60万kW×2)については、フランス西部の安定供給確保のため、需給ひっ迫時の緊急用電源として運転を継続し2024~2026年に廃止予定とされているが、その後の同地点の転用計画が不透明となっている。
2月16日、環境移行省は同発電向けの木質系ペレットを製造するプロジェクトに対する関心表明書の募集を発表した。
EDFが保有する同発電所では2015年よりバイオマス転換プロジェクト(Ecocombust)が進められてきたが、2021年夏に採算性を理由にプロジェクト中止が発表されていたことから、今回の政府発表は驚きをもって受け取られている。
また、政府系造船会社で小型モジュール炉(SMR)の開発を進めるNaval Groupが、同発電所地点においてSMRを建設する計画も浮上している。
同発電所が位置するペイドラロワール地域圏のMorançais議長は「産業の維持、エネルギー自律の確保等が優先される。おそらくバイオマス転換、SMR、水素製造の組み合わせが選択肢になるだろう」と述べている。
チェコのエネルギー事業者EPHのフランス子会社GazelEnergieが運営する同発電所はフランス政府の脱石炭廃止方針に従い、同年3月31日に廃止が予定されていた。
しかし、国内原子炉の応力腐食割れ問題やロシアのウクライナ侵攻の影響への懸念から、政府は今冬に導入した石炭火力発電所の運転上限の緩和(年間上限700時間から、1~2月には1,000時間その後の期間には600時間に変更するもの)を来冬も導入するとし、事業者に対しこの事態に備えるよう要請した模様である。
運転に際しては、「ロシアからの石炭供給を受けないこと」、「発電所の運転により排出される温室効果ガスをオフセットすること」が条件となる。
現地紙のインタビューに対しGazelEnergieは「エネルギーセキュリティのためであれば、当然、設備を稼働させる。そのためには政府の正式決定が必要である」と述べている。
一方、フランス国内に残るもう一つのCordemais石炭火力発電所(60万kW×2)については、フランス西部の安定供給確保のため、需給ひっ迫時の緊急用電源として運転を継続し2024~2026年に廃止予定とされているが、その後の同地点の転用計画が不透明となっている。
2月16日、環境移行省は同発電向けの木質系ペレットを製造するプロジェクトに対する関心表明書の募集を発表した。
EDFが保有する同発電所では2015年よりバイオマス転換プロジェクト(Ecocombust)が進められてきたが、2021年夏に採算性を理由にプロジェクト中止が発表されていたことから、今回の政府発表は驚きをもって受け取られている。
また、政府系造船会社で小型モジュール炉(SMR)の開発を進めるNaval Groupが、同発電所地点においてSMRを建設する計画も浮上している。
同発電所が位置するペイドラロワール地域圏のMorançais議長は「産業の維持、エネルギー自律の確保等が優先される。おそらくバイオマス転換、SMR、水素製造の組み合わせが選択肢になるだろう」と述べている。
【情報提供:一般社団法人海外電力調査会】
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