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[EU] 2022年8月から11月までのガス消費量が20.1%減少

2023年1月19日

欧州統計局(Eurostat)は2022年12月20日、同年8月~11月末までのEU加盟国のガス消費量を公表した。
EU全体のガス消費量は直近5年間(2017~2021年)の同期平均比で20.1%低下した。
EUでは2022年8月に、ガス需要が増加する冬季に備えて、加盟国が協調してガス需要の削減に取り組むことを目的とした「ガス需要削減規則」が施行されていた。
同規則は、加盟国に対し、同年8月1日から2023年3月31日まで、過去5年間の同期平均と比べて、ガス消費量を自主的に15%削減するよう求めるとともに、EUレベルの警報が発動された場合には15%削減を義務付けるものである。
2022年の11月末時点ではあるが、これを5ポイント上回る「節ガス」を達成した形となった。
加盟国別では、マルタ(+7.1%)、スロバキア(+2.6%)のみが消費増、他の国々では消費減となった。
特に、フィンランド(52.7%減)、ラトビア(43.2%減)、リトアニア(41.6%減)などのロシアに地理的に近い国の削減幅が大きい。
主要国ではドイツ25.1%減、フランス20.1%減、スペイン7.1%減などとなった。
また、環境シンクタンクBruegelの分析によると、発電用ガス需要は、フランス、スペイン、ポルトガルなどで増加している。
一方、産業用・家庭用ガス需要はほとんどの加盟国で大きく減少した。
これは同年秋季の気温が温暖であったことに加え、エネルギー価格高騰により産業界では生産計画を見直す動きが顕在化しており、生産量の縮小や工場停止を余儀なくされているためとしている。
現地紙は、ガス消費の減少は必ずしも朗報とは言えず、エネルギー価格高騰に起因する需要破壊が起きており、経済成長への悪影響が懸念されると報じている。

 

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

 

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