エネルギー情報誌は2023年6月7日、欧州ヒートポンプ協会や欧州気候財団を含む23団体が、ヒートポンプ分野の成長を加速するための戦略と解決策をまとめた「ヒートポンプ加速計画（Heat Pump Accelerator Plan）」を発表したと報じた。
当計画は欧州委員会のエネルギー担当委員のカドリ・シムソン氏へ提出された。
当計画内で、初期費用およびランニングコストの高さ、技術者不足、消費者に対する情報不足などが問題点として挙げられた。
また、現在ヒートポンプの60%は欧州域内で製造されているが、コンプレッサーなどの重要な部品は欧州以外のメーカーに大きく依存している点も指摘された。
解決策として、（1）化石燃料ボイラーの販売終了によるクリーン暖房の標準化、（2）部品の生産能力強化による欧州産業のリーダーシップの支援、（3）柔軟性の高いヒートポンプのエネルギーシステムへの統合、（4）消費者への情報提供および購入時の付加価値税（VAT）や電力消費にかかる諸税の減免措置による消費者負担軽減、（5）必要なスキルおよび人材の育成支援など5つの方策が提案された。
欧州委員会は、2030年までに欧州でさらに6,000万台のヒートポンプを設置するというREPowerEUの目標達成に向けて、2023年末までに初のヒートポンプ行動計画を発表する予定である。

 

【情報提供：一般社団法人海外電力調査会】