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[フランス・インド] 仏印首脳 両国間の原子力協力をSMR/AMRに拡大

2023年7月26日

フランスのE.マクロン大統領と同大統領の招きで訪仏中のインドのN.モディ首相は、パリで会談後の7月14日に共同声明を発表。
両国間の原子力協力を小型モジュール炉(SMR)と先進的モジュール炉(AMR)の分野にも拡大すると決定した。


今年は両国が1998年に戦略的パートナーシップを結んでから25周年にあたることから、共同声明では同パートナーシップの約50周年、およびインドの独立100周年でもある2047年を見据え、両国間の協力針路を定めている。


共同声明の中で、原子力協力は「地球温暖化の防止に対応したエネルギー供給保証の強化」に位置付けられており、両国は①インドの工業化と都市化にともなうエネルギー需要増大への対応と、②エネルギー供給保証の強化、および③SDGsの7番目の目標(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)やパリ協定の目標達成――に向けて、緊密に連携しながら低炭素経済に移行中だと説明。
両国はともに、パリ協定の長期的な目標を達成するには、エネルギー・ミックスにおけるクリーン・エネルギーのシェアを拡大する必要があると認識しており、地球温暖化の影響を緩和する持続可能な解決策として原子力の活用が重要と確信している。


両国はまた、インド・ジャイタプールでフランス製欧州加圧水型炉(EPR)を6基建設する計画が進展したことを歓迎。
これに関連して、両国はフランス電力(EDF)が提案した民生用原子力エンジニアや技術者の養成協力の受け入れを表明した。
また、インドが進めている技術者養成政策の「スキル・インディア」に沿って、フランスの関係機関はインド人学生の研修を促進・支援する。


両国はさらに、SMRのような中・小型炉やAMRについても意欲的な協力プログラムを開始し、パートナーシップ関係を築くことで合意した。
このほか、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)が南仏カダラッシュで2007年から建設中の材料照射試験炉「ジュール・ホロビッツ炉」についても、インドを含む多国間で提供している協力の継続を確認している。


ジャイタプールのEPR建設計画については、2010年に仏印両国は最初の2基の建設に関して枠組合意に達したものの、機器供給者側に一定の賠償責任を課したインドの原子力損害賠償法や、地域住民の抗議活動が激化したこと等により、実質的な作業は棚上げとなった。
2018年3月、EDFとインド原子力発電公社(NPCIL)は、機器の調達活動に関する枠組や仏印両国の役割と責任の分担、次の段階のスケジュール等を決めるために産業枠組協定を締結。
同年末に、EDFが法的拘束力をもたない契約条件提案書をNPCILに提出した後、2021年4月に法的拘束力のある技術面と商業面の契約条件提案書を提出している。


(参照資料:フランス大統領府の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月17日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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