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[カザフスタン] カザフスタン 原子力再導入に向け公開ヒア開催へ

2023年9月4日

カザフスタンのエネルギー省は8月17日、原子力発電の再導入に向けた諸活動の進展状況を公表。
建設予定地があるアルマトイ州政府では、地元住民を交えた公開協議を実施し、その後の段階では環境法に基づく公開ヒアリングも開催する方針である。


化石燃料資源が豊富な同国では、総発電量の7割を石炭火力で、2割を天然ガス火力で供給している。
ウラン資源についても現在世界第一位の生産量を誇り、旧ソ連時代にはアクタウに建てられた熱電併給・海水脱塩用の高速炉「BN-350」(出力15万kW)が1973年から1999年まで営業運転していたが、現時点で国内に原子力発電所はない。


2014年5月にカザフ政府は、出力30万kW~120万kWのロシア型PWR(VVER)建設に向けてロシア政府と了解覚書を調印したものの、電力の供給過剰を理由に建設計画は2015年に凍結している。
現在の候補炉型は、ロシアのVVER-1000(100万kW級)とVVER-1200(120万kW級)のほかに、中国核工業集団公司(CNNC)の「華龍一号(HPR-1000)」(100万kW級PWR)、韓国水力・原子力会社(KHNP)の「改良型加圧水型炉(APR1400)」(140万kW級PWR)、フランス電力(EDF)の「EPR1200」(120万kW級PWR)となっている。


また、立地点の選定に関する調査結果は、2022年5月にカザフ政府の省庁間委員会が承認しており、同国のK.-J.トカエフ大統領は翌6月、複数の建設候補地点の中から、アルマトイ州ザンビル地区のバルハシ湖西南に位置するウルケン村が建設に最も適していると発表していた。


同国の原子力利用法では、原子力関係施設の建設および立地点に関する決定は、政府が地元代表組織の合意に基づいて下すと定められているため、アルマトイ州議会は2022年11月、地元住民の支持を条件に建設計画を進めると決定。
ザンビル地区の当局は今年7月、アルマトイ州の主導により公開協議を開催すると公式サイトや複数のSNS、マスメディアで発表している。


エネルギー省によると、この「公開協議」は大統領令の承認を受けた地方議会の規則に基づくもので、原子力発電所建設計画に対する地元住民の意見をまとめるために行われる。
地方議会の常設委員会が同委の特別会合という形で同協議を実施する方針で、これには地元の自治会や組織、一般市民、マスメディア等が参加する。
一方の「公開ヒアリング」は、環境法の下で建設プロジェクトの詳細を評価する目的で開催される。
具体的には、プロジェクトのあらゆる段階で環境アセスメントを実施することになる。


カザフ政府はこのほか、小型モジュール炉(SMR)についても国内建設の可能性を探っている。
エネルギー関係の政府系投資ファンド「サムルク・カズィナ国家福祉基金」が2014年7月に設立したカザフ原子力発電所会社(KNPP)は2021年12月、米ニュースケール・パワー社製のSMRを複数備えた発電設備「VOYGR」をカザフで建設可能か評価するため、同社と了解覚書を交わしている。


(参照資料:カザフ政府(カザフ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月17日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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