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[カナダ] 加ブルース・パワー社 増設計画の影響評価開始へ
2023年11月8日
カナダのブルース・パワー社は10月20日、オンタリオ州のブルース原子力発電所で検討している最大480万kWの増設計画について、周辺住民や環境等に対する潜在的な影響の評価(IA)プロセスを開始し、将来的にサイト準備許可(LTPS)を申請する方針を、カナダ原子力安全委員会(CNSC)と連邦政府のカナダ環境影響評価庁(IAAC)に書簡で正式に伝えた。
オンタリオ州政府は今年7月、州経済の成長に必要な電力を長期的に確保する構想「Powering Ontario’s Growth」を公表。
経済成長のほかに、地球温暖化の影響緩和や州内の電化にも資するクリーンで安価な電力の増産に向けて、ブルース・パワー社および同州の独立系統運用者(IESO)と協力し、この増設計画について開発前段階の準備作業を開始すると発表していた。
その後、ブルース・パワー社は今月17日から、この増設に向けて関連企業から「関心表明(EOI)」の募集を開始。
参加を希望する原子力サプライヤーから書面で申し込みを受け付け、炉型を含むそれぞれの提案の技術的側面を評価する考えだ。
ブルース・パワー社は今回、この増設計画を「ブルースC発電所」と呼称。
世界でも最大規模であるブルース原子力発電所のA発電所(CANDU炉×4基、各83万kW)とB発電所(CANDU炉×4基、各約90万kW)に続くものと説明している。
同発電所では1990年代末にA発電所の4基で大掛かりなバックフィット工事を実施しており、2000年代にこれらが順次再稼働したことで、同州が2014年に達成した石炭火力発電所の全廃に大きく貢献した。
ブルース・パワー社によると、1977年以来の稼働実績を有する同発電所ではすでに環境影響評価が実施されており、人や生態系に不当なリスクが及ばないことは、規制当局による数次の評価作業と各種の許認可により実証済み。
また、送電設備や増設に十分な932ヘクタールのスペースがあることに加えて、熟練の労働力や周辺コミュニティの強力な支持にも支えられている。
開発前段階の準備作業では、ブルース・パワー社はIAプロセスの実施に向けた初期段階の活動として、地元の住民や先住民のコミュニティとの意見交換を開始する。
これらのコミュニティが増設計画に抱いている懸念事項にきめ細かく対応し、同計画が提供するメリット等を説明する。
同社はこうした交流のフィードバックを取りまとめて、2024年初頭にIAACとCNSCに提出予定の「計画の当初説明書(IPD)」に反映させるほか、IAプロセスにも取り入れて環境影響声明書(IS)を作成する方針だ。
ブルース・パワー社で運転サービスを担当するJ.スコンガック上級副社長は、「地元住民と早い段階からコンタクトし、IAプロセスを前向きかつ透明性のあるやり方で進めていく」と表明。
「カナダは今、重要な岐路に差し掛かっているが、クリーン・エネルギー供給オプションを長期に確保するための投資を通じて、地球温暖化の影響を緩和し経済成長を促す」としている。
(参照資料:ブルース・パワー社の発表資料①、②、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月23日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:原子力産業新聞】
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