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[ノルウェー] ノルウェーのエネルギー企業 SMR建設に向けた手続きを開始
2023年11月16日
ノルウェーの新興エネルギー企業であるノルスク・シャーナクラフト社(Norsk Kjernekraft AS)は11月2日、国内で複数の小型モジュール炉(SMR)を備えた発電所の建設を石油・エネルギー省(OED)に提案した。
最初の正式手続きとして、立地候補地の一つで調査プログラムを申請したもので、商業炉を持たないノルウェーでOEDがこのプログラムを承認すれば、同社は環境面や技術面、経済面、および安全面の影響評価を開始することができる。
今回の調査プログラムは、同国西部ノルウェー海側のアウレ(Aure)自治体とハイム(Heim)自治体の境界に位置する共同工業地帯でのSMR建設に向けたもの。
今年4月に、同社がこれらの両自治体、および北極圏のナルビク(Narvik)自治体と同プログラムの実施協定を締結したのにともなう措置で、6月には同社は、バレンツ海に面したヴァ―ドー(Vardø)自治体とも同様の協定を締結している。
これら地区の適切なエリアでSMRを建設すれば、地区内のCO2排出量が削減されるだけでなくグリーン産業が新たに根付くと同社は指摘した。
また、複数のSMRを備えた発電所により同社は年間約125億kWhを発電し、ノルウェーの総発電量は約8%増加すると予測。
ノルウェーのクリーン・エネルギーへの移行にも大きく貢献すると強調している。
ノルスク・シャーナクラフト社は、2022年7月に同国の民間投資会社のMベスト・グループが設立した企業。
核物理学や核化学、石油産業等についての専門社員で構成されており、ノルウェー国民や産業界がクリーンで価格も手ごろなエネルギーを確実に得られるようにすることを企業戦略としている。
現段階では電力多消費産業との協力によりSMRの立地サイトを選定中で、その後は国の原子力規制や国際的な基準に則り許認可手続き等の実施準備を進めていく。
同社はすでに今年3月、英国のロールス・ロイスSMR社と了解覚書を締結しており、将来的に同社製SMRの建設プロジェクトを立ち上げる可能性について協力することになった。
ノルスク社はこの建設計画について透明性を持って進めると明言しており、許認可手続き等には地元住民を交える方針。
環境等の影響評価でSMR発電所の影響が許容範囲内と判明すれば、ノルウェーの法規に則って許認可手続きを開始するが、同社は建設の最終投資判断を下す前には、それ以外にも様々な重要手続きを踏まねばならないと説明している。
同社のJ.ヘストハンマルCEOは、「どれだけ迅速に許認可手続きを進められるかにもよるが、アウレとハイムでは自治体も住民も受入れを表明しており、当社は今後10年以内にSMR発電所の運転が可能だ」と指摘。
「ノルウェーでは現在エネルギー消費量の約半分を化石燃料に依存しているが、メンテナンスを適切に行なえば100年利用できるという原子力発電所によって、電化が大幅に進むだけでなくCO2の排出量も抑えられる」と強調している。
(参照資料:ノルウェー・シャーナクラフト社の発表資料(ノルウェー語)①、②、③、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月3日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)
【情報提供:原子力産業新聞】
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