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[フランス] フランス パンリー発電所のEPR2増設で土木工事契約

2023年12月11日

フランス電力(EDF)は11月16日、同国北西部のパンリー原子力発電所(PWR×2基、各138.2万kW)で改良型欧州加圧水型炉(EPR2)2基を増設する計画について、同国の大手建設企業であるエファージュ(Eiffage)社と土木工事契約を締結した。


同契約の入札は2019年に開始されており、エファージュ社のグループ企業であるエファージュ・ジェニ・シビル(Eiffage Génie Civil)社は、総額40億ユーロ(約6,500億円)以上というこの契約で、直径50mのドーム屋根を備えた高さ70mの原子炉建屋やタービン建屋の建設部分、総床面積15,000㎡という6階建ての管理棟など、2基分の合計で69の構造物を建設する。
同工事の準備作業は、行政当局からEDFに環境影響面の認可が下り次第、2024年の半ば頃に開始することになる。


EDFはフランス経済の脱炭素化やエネルギー自給の観点から、2021年5月に政府に対し国内でのEPR2建設を提案。
パンリー発電所で最初の2基を建設した後、グラブリーヌ原子力発電所(PWR×6基、各95.1万kW)で追加の2基を、その後さらに2基をビュジェイ原子力発電所(PWR×4基、各90万kW級)か、トリカスタン原子力発電所(PWR×4基、各95.5万kW)で建設するとしていた。
E.マクロン大統領は2022年2月の東部ベルフォールにおける演説で、合計6基のEPR2を国内で新たに建設するほか、オプションとしてさらに8基の建設に向け調査を開始する計画を発表しており、独立行政機関の国家公開討論委員会(CNDP)は同年10月から4か月間にわたり、これらの計画も含めたフランスの将来のエネルギー・ミックスに関する公開討論を実施した。
EDFは公開討論の結果を踏まえ、EPR2の最初の2基をパンリー発電所で建設する計画に大筋の合意が示されたとしていた。


フランスの閣僚会議もこの計画の実現に向けて、時間のかかる行政手続きを簡素化するための法案を2022年11月に承認した。
同法案は2023年5月にフランス議会で可決され、翌6月に発効。
EDFはその数日後、パンリー発電所でEPR2を2基建設するための設置許可申請書(DAC)を規制当局に提出している。


エファージュ社によると、今回の契約では関係雇用の創出を通じて地元経済の活性化にも貢献する方針で、工事のピーク時には約4,000名の労働者を動員する計画である。
同グループはまた、建設プロジェクトの関係者と協力して、フランス原子力産業の再活性化に重要な従業員の訓練プログラムも作成するとしている。


なお、後続のEPR2建設計画については、マクロン大統領が議長を務める閣僚級の「原子力政策審議会(CPN)」が、パンリー発電所と同じ地域内のグラブリーヌ発電所を建設サイトとしてすでに承認済み。
これに続いてCPNは今年7月、3番目の建設サイトとして東部のビュジェイ発電所を承認している。


(参照資料:エファージュ社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月20日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

【情報提供:原子力産業新聞

 

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