海外電力関連 トピックス情報
[ブルガリア] コズロドイ新設で加速
2024年3月7日
米国とブルガリアは2月12日、コズロドイ原子力発電所(100万kW級ロシア型PWRの5、6号機のみ運転中)の新設計画などの原子力プログラムの実施で、政府間協定を締結した。
協定には、米エネルギー省(DOE)のA.ライト国際関係担当次官補とブルガリアのエネルギー省R.ラデフ大臣が署名。
協定締結により、コズロドイ原子力発電所における新設プラントの設計・建設・試運転を支援するための作業部会の設置に加え、研究・訓練プログラムおよびブルガリアの原子力サプライチェーンの強靭化に向けた協力を進める。
ブルガリアが安全で持続可能なカーボンフリーのエネルギー源として民生用原子力を開発するにあたり、透明性と一般市民の認知度向上のための協力も含む。
A.ライト次官補は「米国は、ブルガリアの原子力安全・セキュリティ、核燃料供給、原子力プロジェクト開発など、民生用原子力発電計画のあらゆる側面を強化する取り組みを支援していく」と表明、R.ラデフ大臣は、「研修の実施やノウハウのシェア、人材の交流、多くのブルガリア企業によるサプライチェーンへの積極的な参加とその発展に向けた協力が重要である」と強調した。
ブルガリアのコズロドイ原子力発電所が設立した新規建設会社(Kozloduy NPP – New Builds PLC=KNPP-NB)は2月2日、同発電所第Ⅱサイトで計画される米国ウェスチングハウス(WE)社製「AP1000」×2基の新規建設に係る主契約者選定で5社が関心表明を提出したことを明らかにしていた。
2月16日、関心表明者が、米国のフルアー社、ベクテル・ニュクリアーパワー社、韓国の現代E&C(現代建設)社、中国の中国核工業集団(CNNC)オーバーシーズ社主導のコンソーシアム、中国能源建設股份(CEEC)の5社であることを公表。
選定委員会は、各関心表明者のエンジニアリング・建設の経験や専門知識、経済・財政能力等の選定要件に照らした結果、韓国の現代E&C社を唯一の候補者に選定した。
ブルガリアの国営通信社BTAによると、ブルガリアの国民議会は2月23日、現代E&C社との協議開始の承認を議決し、協議期限を4月15日とした。
現代E&C社は、オファー提出等の協議を経て主契約者に決定後、米WE社とコンソーシアムを組んで建設作業を開始する。
現代E&C社の広報部門は、「アラブ首長国連邦のバラカ発電所建設受注から15年ぶりの海外市場への復帰となる。韓国政府の原子力産業復興への支援の結果であり、脱原子力政策で停滞していた韓国の原子力産業の復活のシグナルになるだろう」と指摘している。
【情報提供:原子力産業新聞】
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