火力発電に使われる化石燃料には、限りがあります。1970年代のオイルショック時には、「石油はあと30年程度でなくなる」とも言われました。ですが不思議なことに、現在でも「石油はあと40年以上掘削できる」と言われています。
可採埋蔵量とは、石油の掘削技術が年々向上しており、「現在の技術を用いれば」あと40年以上の掘削が可能という意味です。
しかし、この年数を眺めて安心することはできません。エネルギー資源に乏しい日本では、燃料となる石油・天然ガス・石炭のほとんどを、輸入に頼っているからです。
特に石油は中東地域に偏在しており、湾岸戦争やイラク戦争といった国際紛争時には必要量を確保することが困難となるため、常に世界情勢に気を配り、輸送ルートの確保など国を挙げた努力を行っています。
また、この先、石油の可採埋蔵量が増えたとしても、限りあるエネルギー資源ということには変わりありませんし、燃やせばCO2が発生します。そのため「同じ量の燃料からより多くの電力を発生させる」「CO2をできる限り減らす」といった努力が必要です。各電力会社は地球全体の環境問題にも配慮した発電方法を積極的に取り入れています。