原子力発電所の安全確保

原子力発電所では、発電にともない熱エネルギーだけでなくさまざまな放射性物質が生成します。これらの影響を周辺環境や人々におよぼさないことを基本に、検査や点検、安全を守る規制や人の育成を通じた「安全文化」の創造など、さまざまな側面から安全確保の努力を積み重ねています。

安全を守る技術的なしくみ

原子力発電所では、放射線や放射性物質を注意深く取り扱わなければなりません。そのために機械や人を過信せず、故障やミスがあり得るものと考え、何重もの安全対策(多重防護の考え方)をとって安全を確保しています。
安全を守る技術的なしくみ

原子力発電の安全規制

2012(平成24)年9月、経済産業省から安全規制部門を分離するため、環境省の外局組織として「原子力規制委員会」が新設されました。その後、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故の教訓や海外の知見を反映した、原子力発電所の新規制基準が施行されました。
原子力発電の安全規制

原子力発電所の取り組み

東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故後、自主的に実施してきた緊急安全対策やシビアアクシデント対策に加え、新規制基準に確実に対応するため、各種対策を行っています。
原子力発電所の取り組み

原子力防災対策

1999年に制定された原子力災害特別措置法は、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を受けて改正され、大幅に強化されました。9電力会社ならびに日本原子力発電(株)、電源開発(株)、日本原燃(株)の12社をはじめ、国、地方自治体は、それぞれの立場で防災対策を整備し、平時から防災体制を整えています。
原子力防災対策

原子力発電所の放射線管理

原子力発電所や再処理工場からは、ごく微量の放射線が出ています。原子力発電所では、発電所で働く人や周辺住民の健康、周辺環境を守るため、24時間、管理・監視を行っています。
原子力発電所の放射線管理

検査・点検によって安全を守る

設備や機器の健全性を確認するため、運転中の発電所では日常的に設備や機器の安全点検を行うとともに、国の法律に基づき、発電所を止めて定期検査を行っています。
検査・点検によって安全を守る

原子力の安全文化の育成

安全を最優先する風土や気風、「安全文化(セイフティカルチャー)」の育成に努め、原子力発電所で働く人の教育・訓練を行い、人材の育成を図っています。
原子力の安全文化の育成

過去の事故・トラブルから学ぶ

これまでに、原子力施設の安全確保において重要な事故がいくつか発生しています。事故の評価は、世界共通のものさしである「国際原子力事象評価尺度(INES)」を用いて7段階で評価を行っています。これらから教訓を学び、原子力事業者、国は事故を未然に防ぐための努力に取り組んでいます。
過去の事故・トラブル

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